第32話 パーティ

「遂に始まっちゃった.....」


空が暗く染まる中で、それは始まった

日本独立軍による虐殺が


「まずいぞ.....。速く独立宣言をして、場を収めないといけないのに.....。どうにかして皆を止めないと」

「そうですね。このまま暴動が続けば、国際社会から批判が来るし、敵に反撃の猶予を与えてしまいます」

「よし、俺と弥生と生井は暴動を止めてくる。宮と雪は水面を説得してくれ」

「はい!」


______________________________________


化学部隊責任者の宮と空軍責任者の雪は水面を説得しに行く

それを見送った健二と弥生に生井は急いで暴動化した下っ端を止めにいった


「ひどいな.....」


既に町中に死人が溢れ、赤く染まっている

建築物は片っ端から破壊されていく

あまりの事態の深刻さに健二は頭を抱えていた


「宮と雪に水面を説得できるかな.....」

「宮は自分をしっかり持っているから大丈夫として、新入りのよく分からない雪は果たして水面の説得に回ってくれるか」

「それもあるが、一番の原因はリーダーだ。水面は良く言えばカリスマ、天才。悪く言えば頑固。今まで作戦を議論するとき、水面は自分の意見を通していたよな。確かに結果的には全部成功に導いていた。が、今となってはそれが仇となるかもしれないな.....」

「確かに私たちの意見ガン無視してたね。何だか自分に酔ってるというか」

「憎い所はあります。けど、組織をここまで大きくしてくれた水面さんには感謝しかありません。水面さんも私たちの同じ人間です。話せばわかるはずです」

「それが出来たら苦労しないよ.....。あっ!」


健二たちは一通り歩いたところで暴動化した集団を見つけた

彼らの目は滾り殺意に溢れている

感情に支配された獣に向かって、健二たちは必死に止めた


「陸軍総隊長、健二。私から命令だ。今すぐ殺しを止めて広場に集まれ」

「私からも言います。今すぐ止めてください」


自信の立場を利用して何とか鎮圧しにかかろうとした健二たちだった


______________________________________


一方、宮たちは一緒に虐殺しに行った水面を探していたところだった


「?、急いで雪。止まってる暇ないから」


必死に走っている中、雪は立ち止まり空を見上げた

街灯に照らされ影が動く中、宮ノ後の影は止まった


「何やってるの、雪。この馬鹿な争いを止めないといけないから.....」

「嫌だ」

「へ?」

「確かに戦略上、この虐殺は無用な行動だとはわかってる。だけど、俺の心が足を止めるんだ。俺の家族は借金取りに殺された。その借金取りはこの仙台に住んでいる。だから、もしかしたら.....俺が殺せるかもしれないんだ」

「で、でも.....」


二人が街灯の下に出立ち止まっている中、一つの影が参入した


「お、宮と雪。そこで何をしている」

「いた.....」


日本独立軍の総責任者、CEO

紙上 水面が二人の前に立った


「水面さん.....。今すぐこの暴動を止めてください!」

「.....」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る