第1話 迫害

2035年 東アジアで戦争が開始された

日本の自衛隊は必死に抵抗したが、中国の物量作戦を前に敗退

そして、現在2036年3月3日

日本本土は中国の領土となっている

とは言っても最初の最初は日本国憲法の存在していたうえ、国民から選ばれた総理大臣が行政を行う民主国家であった


変わったところと言えば首都が東京から仙台に移り変わったところである

仙台中央区には国会や各省庁などの中枢機関が存在しており、また大企業の会社など経済的な役割も果たしている

この寛容的な条件に日本国民も安堵したところだろう

しかし、日本に中国国民が入居していくにつれ地獄の風貌へと早変わりしていった

最初の1ヶ月で中国人は10万人と増大、現在は4億人になっている


中国人が選ぶ中国人の総理大臣が行う国の行政

「民主」という名の元々日本にいた人たちが望んでいない「圧政」が始まった瞬間だ

その圧倒的な中国人を前に、民主的に法律や憲法が次々と改正、作成

日本人の立場が苦しなっていった


そんな日本の仙台から少し外れたところには巨大なスラムがある

物価が他と比べて安いため、貧困層の日本人が沢山住んでいるのだ

だが、毎日ように差別や犯罪が絶えない

そう、このように


「金がない奴はこの店に来るな」

「二度と来ねーよ、こんな店!」


そう吐き捨てた彼の名前は紙上 水面

この巨大スラムに住む日本人だ

世が世なら大学生活を満喫している所だが、如何せんこの時代では不幸な毎日を送っていた


「いてて、また追い出された......」


水面が店の外に出ると、彼はため息をついた

ぼろ屋が立ち並び、あちこちに虫がうよめいている

路上には物乞いや中毒者が痩せこけた状態で座っている

2年前まで優雅に暮らしていた水面にとっては嫌悪が湧く光景なのだろう

その感情がため息として出ているのだ


「くっそ、中国が攻めてきたせいで......」


そう水面は言うと路上に広がる家を見た

家にはインクでこう書かれてた


「日本人は、この店に来るな!」

「死ね、消えろ!」

「日本人はゴミでも食ってろ」

「ジャップ、GO TO DIE」


そう書かれた家が何件と立ち並ぶ


「くそ、くそ、くっそ!」


2年前までは家に落書きをするなど言語道断で犯罪とされていた

しかし、今犯罪を犯した人間がのうのうと生きている日本

それには、あるサイクルが関係していた

「民主的に」日本人よりも星の数といる中国人の意見が採用される

具体的なもので挙げれば

・中国人雇用優遇法

・日本人高価法

・破産者自由法

・日本人重税法


「合法的」に犯罪が許されるのだ


「帰ろ......」


これ以上ここに留まったところで不憫な思いをすると判断した水面は家に帰るのだった

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