■■マン・ジョンリック
ダブルス
「例えば異分子同士がぶつかる。するとバタフライ効果によってシュレディンガーの猫がそこから出てくる。つまりパンドラの箱が開いちゃうわけだ。」
「どゆこと?」
「さあ?俺にもまったくわからん。アイツ言い方がわかりにくいんだよな~」
「わかる」
男と女が荒れた都市を歩く。
まるでポストアポカリプス映画の中に来たみたいに。
そして映画のワンシーンのように喋りながら歩いている。
だいたいこんな時は敵が襲ってくるもんなのに敵ではなくなった死体が転がってあるだけだった。
「カメラは?」
「今18%ぐらい。」
「ん。了解」
確認をし終えた二人が路地に入っていく。
そこには血と腐敗した肉で地面が作られた場所だ。
その先には今までの死体とは構造が一味違う物体がそこにはあった。
カメラが起動した。
[データリンク開始]
[内部データ容量を確認中…………容量が足りません]
[バックアップ済みデータから消去可能なデータログを検索中…ヒット]
[消去中……完了]
[撮影開始まで3…2…1…]
「20■■年12月8日。グラウンド0から1年4ヵ月位。バワーム02との連絡が途絶え、調査した結果。グラウンド0の下位上級と思われるバンデットを確認。殺害し、二次被害調査中。バンデットの死骸はこの様に腐敗と再生を繰り返しコンクリートを侵食。内部構造を破壊し、DNAが書き換えられた痕跡無しの不明なDNAになっている。また、葉緑体が細胞内に侵入している事から見るにエネルギーを欲したが故の行動であると考えられる。」
靴裏を見せる。血が流れ落ちた。
「また、鉄やアルミニウム等の金属には侵食しない事から分子が一つ以下。または電気を通す金属類には侵食できない模様。二日前に設置していた金属に侵食が発生していない事から完全に拒否している模様。本体は植物状態で生きてはいるものの、ほぼ全ての行動は脊髄によってされている。貴重なサンプルの為、老残呪秀勇の協力で1ヵ月後終了を予定して実験を今日から開始する模様。また、我々は主任務であるST-7の探索任務を再開する為記録は老残呪秀勇が行います。記録終了」
[記録終了]
[データ送信中…子機ーー→主機……完了]
[バックアップ完了しました]
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます