第25話 ミルク加工 チーズ、ヨーグルト

次にまた、深鍋でヤギ乳を弱火で加熱していく。

その間にジューサーを使い、レモンを絞っておく。

ふつふつとしてきたら、レモン入れて、混ぜていき、分離してきたら、火を止める。

分離した固形物をきれいな布の上に移しておき、熱がおさまるまで待つ。

持てるくらいになったら、てるてる坊主をつくるようにして、ねじった部分をきつくしていき、ぎゅっと絞る。

水がでてこなくなったら、ゴートチーズの完成。


 「今度はひとかけらずつ食べていきましょう。」

 

ひとかけら食べてみると、レモンの酸っぱさが少し残った濃厚な味。

サラダ、ワインと頂きたところ。


 「これもいいな、フェルでも喰えそうだ。」

 「酒と合いそうな味ですね。」

 「チーズケーキ作れるかな?」

 「チーズケーキ?」


これもまた、好評。

チーズケーキ、考えてみるか。


 「今考えてみたのがこんなところですね。どうですか?」

 「作るのに少し手間はかかりますが、人手さえあればいけそうですね。

レモンも近くで栽培していますから、そちらと協力すればいいですね。

レモンの安定供給ができるまではバターを作っていきましょう。」

 「じゃあ、今あるヤギ乳持ってくるか。」

 「あ、俺も手伝いますよ。」


俺はペディさんについていき、ヤギ乳の保管庫へ行く。

保管庫に入るとそこには鉄瓶に入ったヤギ乳が10個ほどあった。


 「じゃあ、中身を確認してから運ぼうか。」

 「そうですね。」


蓋を開けて、中を確かめつつ、運び出していく。

そして、一つの瓶を開けるとペディが騒ぎ出す。


 「あ、こいつはダメだな。」

 「なんだ?」

 

ペディは保管庫につられていた大きな木のヘラで瓶の中身をすくっていく。


 「中が腐ってるんだよ。ほら、見てみろ。」

 

木のへらにつくほどの何かがそこにあった。ん?でも、これは・・・。

俺は解説を使ってみる。


名前 ヨーグルト

偶然入り込んだ菌で発酵したもの。


ああ、そういえば、ヨーグルトって偶然に出来上がったと聞いたことがある。

これはラッキーだったな。


 「ちょっと待ってくれ。それは食べれる。」

 「え?これがか?腹壊さないのか?」

 「いや、まさか偶然にもヨーグルトができるなんて思わなかったな。」

 「へえ、これのこと知ってるのか。けど、これ売れるのか?」


確かに初見の人には腐った乳としてみられないよな。


 「とにかく、俺が保管しとくよ。」


俺は外へヨーグルトのはいった瓶を運び出すと、ペディから見えない位置でアイテムリストに入れていった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る