第12話 ◆一日の授業風景

一度、嫌がらせの失敗がきいたのかミラさんはその後、静かに過ごしていた。

こちらも絡んでこないのなら、問題ないので放置している。


今日の後に授業は数学、歴史、魔法学。


数学については前世で入院先の勉強会にて、中学までの計算式なら問題なくできていたし、この世界では数学の問題がそれと同じくらいなので余裕でできるのがよかった。


数学が終わると昼食の時間。

昼食は食堂と指定個人席に別れる。

食堂では下位の貴族、平民が一緒の席に座り、食べ、上位貴族には仕切りにおおわれた指定個人席ふが用意されている。

食堂では大衆向けメニューが並び、指定個人席には一流料理人が各家庭より派遣されている。

私は指定個人席にて、公爵家の料理人につくらせている。

上手いは上手いのだが、元の世界のものよりは劣っている。

自分に料理の知識があれば、伝えることもできるのであろうが、貴族が厨房に入ることは禁じられており、生前の病室暮らしのため、包丁も握ったことがない。

なので何もできないのだ。


お昼が終わり、歴史の講義。

歴史については、この魔法学園創設の話。

ある日、空から隕石が落ちてきて、ここに落ちた。

隕石が落ちるとなるとかなりの衝撃がでそうなものだが、クレーターのような大きなものはなく、辺りに岩の残骸が広がり、真ん中に隕石が鎮座していた。

その隕石を調査しているうちに隕石が魔力を含んでいることがわかり、その魔力により、魔法を使える者があらわれるようになる。

そこでこの土地に魔法使いを育成する学園を建てる計画が立ち上がる。

それがこの魔法学園メテオライトなのである。


ここからのことは授業では教えていないこと。

魔法が使えるとはいうものの、素質がないものには効果はなく、入学してからの検査で判明したものは魔法を使う講義はなく、魔法知識だけを詰め込み、卒業後は用務員や事務職など魔法を使わないような仕事につくことになる。

なぜ、そんなことになるのかだが、魔法を使えるという建前で学園があるので、外にその情報を出すワケにはいかず、そのため、仕事の凱旋を条件に誓約魔法とよばれる秘密をもらさない効果のある魔法を施す。それでも漏れてしまう情報もあるが、それは支援者の方々によって握り潰されている。

我が公爵家も支援者の一人でこのことはお父様から教えてもらっている。


さて、最後に魔法学であるが。

基本の魔力を体にまとわせる『身体強化』と手のひらにためた魔力を打ち出す『魔弾』の派生を考えていく、生徒主体の授業である。

ここで開発された魔法で生徒の成績と実績につながり、本に記載されると卒業後の進路で有利にはたらくといったところである。


そして、皆で協力して取り組む授業であるが、


 「お嬢様。」

 「なんですか。」

 「組む方はいらっしゃらないので?」


そう、ボッチ。悪役令嬢として学園に通っていた私の周りには人がいない。


 「そうよ、私は孤高な魔法使いなのよ。」

 「・・・そうですね。」


そんな私でも魔法の才能はあり、4属性(火、水、風、土)であれば、使えるのである。

なので、一人でもくもくと魔法を生み出している状態。

その横にはニール。


 「ニール、あなたは魔法を使わないの?」

 「いえ、私には魔法の才能がないようで、何も出ません。」

 「そうなのね、ごめんなさい。」

 「いえ、私は従者で十分ですから・・・。」


この辺りだけ空気が思い気がする。風魔法の派生でも覚えたかしら(現実逃避)

そんなこんなで今日の授業は終わった。

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