第74話 アイテムリストの新たなスキル
宴会が終わった後、俺はストーム戦の後で気づいたアイテムリストのリンクに新しい項目を使用する。
リンク チャット スミレ
チャットのスミレの部分をタッチすると、透明なウィンドウが目のまえに現れる。
使用方法が頭に送られてくる感覚があり、俺は文字念じてみる。
するとウィンドウに文字が表示される。
【こんばんわ】
ちゃんと表示ができたようだ。
数秒したのち、その文字の下に文字が現れる。
【こんばんわ】
スミレもまた、文字におこすことができたようだ。
【いきなりで悪いな。これがリンクの新しいスキル「チャット」だ】
【はあ、これは凄いですね、思ったことが文字として出るので打つよりもはやいです】
【で、これから話したいのは、スミレについている護衛についてだ】
【そういえば、監視目的でついている方とは違う人に数日前に変わってましたね】
【この国の王子でナイルさんっていう人がいるんだけど、その人の部下なんだ】
【王子って何か探られてるんですか?】
【いや、協力者。実は彼には前世の記憶があるらしい。で、俺のことも日本人として接触してきたんだよ。】
【ああ、それって転生者って奴ですか。こんなすぐに遭遇するもんなんですね】
【そうだね、それでこの国のやり方に反発していて、都合よく俺が城から出て、店で働いていることを調べて、接触してきたんだよ】
【接触ということは革命でもするから手伝えとかですか?】
【いや、そんなこと言われても協力はできないよ。で、目的は外に出て、食材とかを確保して欲しいんだって】
【は?それ本気ですか?】
【本気らしいよ、実際この国には特定の食材しかないし、魚は無理だし、肉もオーク肉、豚肉に似たものしかないしね。醤油とか欲しいってさ】
【あ、たしかに醤油が恋しいですね】
【で、この世界には醬油があるらしい。というワケで外に行くことになりそうだ】
【え、すぐに行くんですか?】
【いや、馬車の手配なんかもあるし、数日は時間があると思う】
【それでも数日ですか。寂しくなりますね】
【まあ、そこはチャットがあるし、いつでも話せると思うよ】
【それは安心ですが、この時間のチャットは眠くなるので、そろそろ、寝ていいですかね】
【あ、ごめん、じゃあまたな、お休み】
【お休みなさい、先輩】
チャットは自分が切ると思うとそのまま消えていった。一応、念じれば、履歴を表示できるようだから、情報の漏れもなさそうだし、リンクが増えれば色々と便利そうだ。
でも、リンク対象はまだよくわからないな。
さて、次は偽装の新しい項目を試す。
それは擬装。同じに見えるけれど、こちらはカモフラージュの意味がある。窓を前にして早速使って見る。
初期の設定は色設定。まずは髪の色を変えてみる。念じてみると黒髪が段々とイメージした金髪に変わった。
金髪に変わっただけでも印象が違う。
次に肌の色を変えてみる。
肌色が茶色に変わっている。
これで俺だとは人目でわからなくなるな。
そして、擬装を解除すると一瞬で元に戻った。
こうなると擬装を解除される方法もあることを考えないといけないが、それは置いておこう。
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