我輩は花粉症である

口伝書

  ~息をやせんと生まれこむ~


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 ワシは最近「アワ洗顔友の会」の会員となり、大量のアワを作って顔を被うというアワ洗顔を毎朝の修行としておる


 またワシは「花粉被害者の会」名誉会員でもある

名誉会会長になるには、残念ながらまだ症状が足らぬのだ

名誉会長への道は険しくも厳しいのじゃ


 さて花粉症の困ったところは、くしゃみがところ構わず出るというところじゃの


 その日も常のごとく、しっかりアワ立てた洗顔料で顔をモコモコにしておった

顔をアワで覆ったそのとき!

なんと、くしゃみの発作が始まったのじゃ


 くしゃみというものはの

はっはっ!と、思わず息を吸うところから始まる 

全ては「吸」から始まるのじゃ

この時マンの悪いことに口はアワで厚く覆われておったのじゃ

口は開けられん


 そうすると、どうなる?

そうじゃ

はっはっ!と鼻から息を吸うしかない


 しかし鼻も僅かな穴を残してアワに覆われておる 

なんと不幸なことよ


 ソノ状態でうっかり鼻から大量の空気を吸ったと思ってみよ

鼻の穴付近のアワはどうなる?

そうよ

穴に引き込まれるわの


 アワが鼻の粘膜に密着する

そうすると、どうなる

そうよ

ツーンじゃ

ツーンときて、

またそこでくしゃみが起こる

くしゃみの連続波状攻撃じゃ


 鼻は洗顔料のアワでツーンと痛い

口はアワで閉じておる

となると次なる「吸」はどうなる

そうじゃ

空気を吸えず、閉じ込められ

肺の内へ内へとこもるのじゃ


 くしゃみの発作は息を吸いたいと足掻き、肺を小さく押し潰す

肋骨が肺に向かって圧縮される

これ即ち息が止まる


 アワや窒息するかと思ったわい


 皆もの、洗顔のときは鼻の穴は確保しておくのじゃぞ

さもなくば、くしゃみで圧死じゃ

気を付けろのぉ


 生きること、是即ち息ることじゃ

何はともあれ、息はしておかねばならん

わかったの


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