第1話 これだから隠れ陰キャは_

「ウィーン」


 機械音が聞こえる。ロボットが街中を動いているようだ。


 この世界の全てはロボット、A Iが取り行っていた。


「はぁ〜」

 そんな街中のカフェで、男が机に突っ伏しながらため息をついた。


「今日会ってから、これでため息78回目。——そんなんで、よく今まで生きて来れたね。」

 となりに座っている…友人だろうか、髪色がすっかり抜けてしまった金髪頭の奇妙なTシャツを着た、男がロボット型の店員が持ってきたパフェを受け取りながら声をかけている。


「だってさぁ〜…。俺はもうお役御免だってよ!ふざけんなよ!」

 と、パフェを口いっぱいに頬張りながら怒る、この男こそがAIに役目を取られた“オクナ”なのだ。


「くそー!ロボットAI……許すまじ!」

 オクナがロボットAIに対して怒るとカフェ中の視線が2人に集まった。

「まぁ、そんな怒んなって。」

 奇妙な服を着た友人が周りの視線に怯えながら、オクナを宥めた。



 20XX、世界はロボット、AI中心になってしまった、AIの、アイに逆らわれる者は誰もいないと言われている。

アパレルの店員も、美容師も、料理人までもがロボットに仕事を取られてしまっている。

そして、誰よりも先にAIたちに「これからの世界なくても大丈夫だ」と、判断され

きられたのが、オクナの職業………

“アイドル”

だった。

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