たかが詩じゃないか

詩音 悠

『君のキスから逃げられない』

計算高い奴さ 

プライドも高すぎる

拗ねたような唇 

微かに染まる頬が憎い

心を見透かされた 

上目遣いの瞳

胸をギュッと掴まれ 

必死に欲望おさえてる

不意を突かれ 

抱きしめられても

素直に好きと言えやしない

ほんの少し思わせぶり

僕のこと 揶揄わないで 

お願いだ

シャツの袖を捲り上げて 

ボタンを外しながら

勝ち誇った笑み浮かべる 

君の魅力に負けた

肌に纏わり付くような 

吐息を漏らしながら

君のキスを受けるよ 

もう逃げられない



現実はいつでも 

残酷で正直だ

胸の中を嵐が 

渦巻いて駆け抜けて行くよ

心を押し殺して 

僕は負けを認める

懸命に堪えていた 

欲望に飲み込まれてゆく

人をその気に 

させておきながら 

誘っているのかだなんて

愛想笑い誤魔化してる

僕のこと 揶揄わないで 

お願いだ

ストレートの髪かき上げ 

眉間にシワを寄せて

冷ややかな笑み浮かべる 

君の魅力に負けた

荒い息遣いと共に 

濡れた唇を噛み

君のキスを受けるよ 

もう逃げられない



ほんの少し拗ねたような 

過剰な自意識さえ

砕くような笑み浮かべる 

君の魅力に負けた

今にも破裂しそうだよ 

背筋が震えている

君のキスを受けるよ 

もう逃げられない

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

たかが詩じゃないか 詩音 悠 @special12

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る