プロローグ
ここに、4人で撮った写真が飾ってある。
達也は一人、戻ることのない日々を想う。
まるで昨日の出来事のように、写真の中のアヤを追いかけている。
アヤが今にも語りかけてきそうで、達也は瞳をこらした。
色黒のアヤが、白い歯をこぼしながら、カメラ目線で達也を見つめている。
船を改造した、さびれたカクテルラウンジ、サイパンレディー号でのスナップは、マッチ箱のような、小さな海が背景になっている。
船の
グリーンのTシャツがUSサイズのためか少し大きく感じられるほど、アヤは幼く写っていた。髪の毛を一本に後ろでたばね、紫色のスカーフを巻いている。
華やいだ夏を通り抜け、男の視線を十分に
恋する女にとって、秋は一番素敵になれる季節かもしれない。
男、そして女。
深くため息をつけば、そこには1編の詩が生まれる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます