バイトとして来た女の子は初恋の女の子。
ななだ
第1話 プロローグ
『大丈夫?立てる?』
俺は未だに覚えている。
彼女の温かい言葉に
心配してくれていたあの顔。
俺はあの頃から彼女を好きになっていたのを覚えている。
* * *
朝。
今日のお天気は快晴だ。
午前中も午後も今日は店番しないといけない。
別に苦ではないので良い。
何なら苦どころか癒しの場でもあるのだが。
さっさと朝ご飯を済ませ顔も洗い髪も”一応”整えて
店へと向かう。
その矢先で父さんからの業務連絡?があった。
「あ、そういえば今日から新しいバイトが入るからな。
結構別嬪ちゃんだぞぉ?」
「あ、ああ」
父さんのことだから別嬪といっても30代のお姉さんだろう。
だから別に別嬪さんだってなんだってどうでもいい。
‥‥なんて思っていた俺がいた。
どんな奴なんだろうか。
店の前に落ちている落ち葉をほうきで掃いていると
一人の女の人がこちらに向かってきた。
「よろしくお願いします!今日からバイトとして入った
「え、あ、とりあえず中で話しませんか?」
「はい、お願いします」
見た目が俺と同じ年かそれ以下ぐらいの女の人?子?
とりあえず書店の中で話すために中へ誘導した。
「それじゃ改めまして、今日からバイトとして入った
「よ、よろしく。俺は
来た人が父さんの言う通りだったので少し動揺してしまった。
「‥‥」
「‥‥」
小松佐那。
‥‥小松佐那!?
俺は脳裏に一人の顔が浮かんでいた。
‥‥小さい頃の小松佐那だ。
実はこれが初対面ではないということをこいつは知らない。
と言っても低学年ぐらいの時だから俺みたいのが記憶になくても当然っちゃ当然。
こんな顔してたっけ‥‥小松さん。
昔なんて小さな顔でどちらかというとお嬢様みたいな容姿だった。
今となっちゃ黒髪でボブっていうの?ふんわりしていて一つ一つの動作で
その綺麗な髪が
顔もすっごく可愛いし。
‥‥俺こんな子のこと好きだったんだな。
「ねぇ圭祐君」
「は、はい」
「身長高いね、何センチあるの?」
「えっと182センチです」
「たっか。そりゃこんな高く見えるよねぇ」
小松さんは俺の身長に合わせようとつま先立ちをしている。
つま先たちをしている小松さんは俺のすぐ目の前でふらふらと
体を揺らしている。
「小松さん‥‥近いです」
小松さんはすぐ下を向いて体を引いた。
「あ、ごめんごめん」
小松さんは頬を少し赤らめて離れた。
もちろん俺も顔が赤かっただろう。
「ねぇ圭祐君」
「はい?」
腕を後ろに組んで言いにくそうな様子をみせる小松さん。
俺の頭の上には『?』が浮かんでいただろう。
「それで私って今からどうすればいいの?」
「あ‥‥」
俺もいきなりのことでほとんど聞いていない為何をさせればいいのかサッパリだ。
「えっと、どうしよっか‥‥」
「私何すればいいの‥‥」
二人で何にもすることが分からなかったので突っ立っていた。
そんなことしてても埒が明かないので父さんに聞いてみることにした。
「父さーん、ちょっと小松さんのことで聞きたいんだけど」
「ん、んーー、圭すまん、今出れそうにねぇわ」
「‥‥あ、そうですか」
父さんはトイレに朝からこもっていた。
結局何にも聞くことができない状態。
‥‥つんでるなこれ。
「あ、圭祐君。店長さんなんて?」
「え、あーーー。えっと、今日は帰ってまた今度だそうだ」
小松さんの目が少し下を向いた。
「あ、そうなの。わかった‥‥またね圭祐君」
「はい、また今度‥‥」
小松さんの背中が物凄く暗く見えた。
まぁそりゃバイト初日で
『また今度』なんて言われたらああなるか。
‥‥小松さんすまない。
‥‥父さん、俺にお礼言うべきだぞ。
‥‥小松佐那。
ねぇ。
=あとがき=
こんにちは、ななだです。
私の初めての作品を読んでいただきありがとうございます。
今はこの作品を初めて二か月程の時に書いてます。
やっぱり今と昔じゃ書き方が変わってくるものなんですね。
どうか先も見てください。お願いします。。
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