テスト
「んー、この問題むずいなー。でも!学年1位をとるためにはやらなきゃ…。」
5日後、学校でテストが行われるが、ゆいかは配信や録音でなどで忙しく、全く勉強をしていなかった。なので今日は危機感ありまくりの配信をしている。
「コメント読みます。……コメント見るぐらいならペンを動かせ!ひぃー鬼や。でもその通りだー!」コメ読みなどをしていたら配信は夜中の3時まで続いてしまった。
次の日、ゆいかが重いまぶたを擦りながら教室に入ると、カメラのシャッター音とクスクスと笑い声が聞こえた。
(ん?なんだ?)ゆいかが顔を上げるとある文字が目に入ってきた。
“僕はゆいちゃんじゃなくてゆいくんですww”と黒板にデカデカと書いてあったのだ。
(何だこれ?)ゆいかは思い返してみた。
(そういえばこないだ言い返そうとしたときに、‘ぼくは’って言ったかも。
てか、別に一人称が僕なだけで、‘くん’は違くない?)
と、思ったがゆいかは何の反応もせずに自分の席に着き、昨日の書いたまとめノート開いた。しばらくするとキュッキュッと音がした。誰かが黒板を消しているようだ。
(別にそんなことしなくても良いのにな)と思いつつ顔を上げようとした時
「委員長〜消さないでよ〜」というクラスメイトの声が聞こえた。だが、委員長は聞く気もないようだ。
(委員長といえば真面目で有名だもんな)委員長へ「そんなことしなくて良いよ」と言った。
「ゆいかは目立ったほうがいいからねwていうか目立ちたいのかもw」とまたクラスメイトが小馬鹿にしたように言っている。黒板を消し終えたのだろう委員長がゆいかの方へ向かってこう言った。
「親切心はないよ」と意味のわからないことを。
(ん?どういうこと?)ゆいかは疑問を抱えたまま昼休みになってしまった。
「ちょっと委員長これ準備室まで運んでくれない?あっでも結構重いからゆいかも手伝って!」とクラスメイトが言ってきた。
(パシリじゃんか。でも、ここは委員長を助けると思って)
「いいよ」渋々了解した。
準備室へ向かっている時委員長が突然、
「朝はごめんなさい」と謝ってきた。(えっ?)
「あの…あんな出しゃばったことしてしまって。」(あー黒板のことね)
「逆にこっちが感謝すべきことだから。委員長が謝ることじゃ無いよ。」と二人は和解?し、会話を続けた。すこし話すと委員長が急に、
「お友達になって下さい」と手を出してきた。
「えっ?」(友達ってこうやって作るものなのかな?、でも)ゆいかは友達の作り方は知らないが、
「良いよ」人間の心はあるので友達は増やしたい。
「じゃあ、連絡先を」と委員長。ゆいかはすぐに了承した、、が、、
「じゃあ、ツーショ撮りましょう」これも了承し、写真を撮ったが、、、
(委員長ってこんなにガツガツした感じの人なの?)と、疑問に思った。
テストまであと2日になったある日、ゆいかのもとへ1通のラインが届いた。ちなみにゆいかの連絡先に入っている人は、悠、幸、委員長だけだ。
(誰からかな?)ゆいかが見てみると、幸からだった。
“テスト勉強しよー”
その日の放課後、幸とゆいかは誰もいない教室で勉強していた。いや、勉強と言ってもただぺちゃくちゃ話しているだけだったが。
「そういえば、次のコラボのテーマ何にする?」とゆいかが聞いた。テストが終わったら、コラボをする予定なのだ。
「んーこないだの弾き語りが結構伸びたから…」ああしよう、こうしようなどと話していると
ガタッガタと音がした。幸とゆいかは目くばせしてその音のする方へ行った。すると人がいた。
それは…手にスマホを持っている委員長だった。スマホでなにかを録音しているようだ。
一旦委員長と話すことになった。
「どこから聞いてたの?」と幸が大きい声で聞いた。すると、委員長は怯えたように
「さ、最初から」と答えた、次にゆいかが
「なんで録音してるの?」と優しく聞いた。委員長は黙った。「誰かに頼まれたの?」と聞くとコクコクと頷いた。「それは誰なの?」と怒ったように幸が聞いた。
「く、クラスの人面白そうなことは撮っとけって。」と委員長が答えた。
(なるほど。)要するに、クラスメイトの誰かにイジメのネタになるようなことを集めとけと言われているらしい。
「サイテーだね。ゆいかのクラスメイト」と幸が呆れたように言った。
「うーん。まぁそれよりもさっきの動画消してね。」とゆいかは委員長のスマホを指差して、動画を消させた。
そして、このことは誰にも言わないという約束をしたら委員長は逃げるように帰っていった。幸も、もう気分が悪いと言って、帰ってしまった。だが、そんな気まずい雰囲気の中、ゆいかはまたある疑問を生んだ。
(あれ?委員長こないだといい、話すごとにキャラ違くない?)と。
ちなみにゆいかは、この事件のせいで勉強が全然できず、テストで学年、108人中105位だった。
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