67話 先生からのアドバイス【先行版】
「ああ! いいぃいい! あああああああああああああああああああああああああ!」
獣のような咆哮を上げると、みしろがベッドの上で倒れる。
「…………」
「ふぅ……やっと大人しくなったか……」
俺は汗びっしょりで、倒れ臥すみしろを見やる。
「飯田君、もう終わった?」
「ああ」
しゃっ、とカーテンが開くと、そこには白衣の美人先生、
みしろの下品極まる姿を見て、はぁ……と溜息をつく。
「ここ、ラブホじゃないんだってばもう……」
「わかってるって。でも教室でやると見つかるかも知れないだろ?」
「それはまあそうだけども……はぁ。はいこれ」
先生がタオルを俺にぽんっ、と渡す。
「教員用のシャワー室、今誰も居ないと思うから、使ってきなさい」
「あ、ああ……」
先生にうながされて、俺は一度保健室から出て行く。
先生は倒れ臥すみしろの体を、おしぼりで丁寧に拭っていた。
文化祭当日。
朝登校するとみしろが角××していた。
しかも俺の机だった……。
なんでもおかずにするな、あのセクモン……。
発情したみしろを正気に戻すため、俺はこのラブホ、もとい保健室を訪れたわけだ。
シャワーを浴びて戻ってくると、先生が俺にペットボトルを渡す。
「はい水分補給して」
「あ、ああ……」
先生からスポーツ飲料をもらってごくごくと飲む。
セクモンバトルで失った水分が急速に戻っていく。
「お盛んねあなたたち。朝から4回もなんて……」
ぐしょ濡れだったベッドの上で、夢見心地の表情のみしろが気絶していた。
「こいつが離してくれなくてさ」
「だからって四回もやって元気なんて……」
はぁ、と溜息をつく。感心してるのか、あきれてるのか。多分後者だと思う。
「わかってると思うけど、文化祭中は
「先生はどこにいるの?」
「救護室。文化祭中は人がいっぱいくるから、けが人と具合悪い人、いつも以上に来るのよね。だから校庭に仮設テントたてて、そこで仕事するのよ」
……なんか先生みたいだ。
「飯田君、今なんかアタシのこと先生みたいって思わなかった?」
「うん、思った」
「もうっ。最初から先生ですー!」
ぷくっと頬を膨らませる先生。
童顔なので似合ってるな。けどその顔にそぐわない、大人の体つき。
ふっくらした唇に胸、そして尻……。
「って、飯田君。またおっきくなってるよ……♡」
「あ、ほんとだ。先生やらせてよ」
「飯田君!?」
え、何か俺おかしなこと言ったっけ……?
「飯田君だめよそろそろ生徒達が来るんだからあのねセックスばっかりやって居ちゃだめなのよ……ああんっ♡」
★
着たまましました。
「うう……結局流されちゃうあたしってば……」
乱れた衣服を整える先生。
足腰が、まるで生まれたての子鹿のようにおぼつかない。
「先生も大人ぶっても、結局俺とやりたいんだな」
「そ……! それは……まあ……だって……すごいんだもん……飯田君のあそこ……♡」
普段は面倒見の良い、生徒達から大人気の保健の先生も、ベッドでは俺に勝てない。
「あそこじゃわからないな。どこだよ。はっきり言えよ」
「い、飯田君……なんか最近、
「? そうか?」
「うん……なんかたまにオラついてるような……大学デビューで変わってしまった陽キャ男子みたいよ」
「え、ま、マジ……?」
「あ。戻った」
ホッ……と先生が安堵の息をつく。
そんな。俺……変わってしまっているのか……いつの間にか……。
「なんか地味にショック……」
「ま、まあ……落ち込まないで。ほら、今日は文化祭でしょう? 誰かとデートしないの?」
「四葉と」
「おお! 贄川さん頑張ってる……!」
「と
「お、おう……」
先生が額に汗をかく。
「そ、そっか……飯田君のこと好きな子多いものね……
ふぅ、と息をつく先生。
「今日明日くらいは、セックス抜きで、あの子達に付き合ってあげるのよ、飯田君」
「なんだよ藪から棒に」
先生は苦笑しながら校庭を見やる。
ちらほらと生徒達が登校してきていた。
「セックスも重要よ? でも……文化祭は学生のうちしか体験できないの。青春時代はあっという間。だからセックスに打ち込みすぎて、大事な
先生は珍しく真面目な表情でそういった。
そこには実感がこもってるように感じた。
「先生も青春時代で、後悔してることってあるの?」
「そうね……オナニーばっかりしてたの、まずかたなって……部活とかしておけば……って! 何言わせるのよ飯田君!」
「いやあんたが自分で言ったんだろうが……」
というかおなってばかりいたのかこの人……。
「し、仕方ないじゃない! 女子校だったし! 彼氏なんてできなかったし! 十代の性欲なめないでほしいわね!」
「あんた今の発言、さっき自分で言ったことと矛盾してるって、気づいてる?」
こほん、と先生が咳払いする。
「とにかく、この二日はセックスじゃなくて、ちゃんと女の子とデートすること。青春を謳歌すること。いいですね?」
目を閉じて、説教垂れる先生。
なんか、先生なんだなって、当たり前だけど思った。
「あいよ。それじゃ」
「うん。梓川さんは起きたら教室に向かわせるから、飯田君、がんばってね」
先生が小さく手を振って微笑んでいる。
なんだか可愛らしくて、俺は手を振り替えしてしまうのだった。
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