34話 みしろ、【※空白はバグではありません】【先行版】



 俺は元カノの梓川あずさがわ みしろを家に呼んだ。

 

 彼女とシて、夕月ゆづきのトラウマを克服させるため……だと思う。


 自分でもちょっと何やってるんだろうかって思ってる。うん。


 四葉と別れ、俺はみしろとともに、夕月が使っている部屋へとやってきた。


「すまんな、俺の部屋は夕月がいるんだ」


 さて、部屋に到着するなり、みしろは、血走った目で、飛びついてきた。


「亮太君! さっそくわたしと×××を! ×××をぉ!」


「お、落ち着けって」


「×××! ×××!」


「だからおまえやめろって。そんなハシタナイ言葉使うの」


「××××××××××××××××××××!」



「おまえほんといい加減にしないと、これ以上は

































































































    ★


 真っ暗な、夕月の部屋にて。


「“<$‘$”……”<#$P”$……」


 全裸のみしろが、倒れている。

 

 そう、全裸だ。

 何一つ身にまとってない彼女が、尺取虫のような態勢で気絶している。


 本当ならセクシャルを感じるような光景だが……。


【さっきまで】の行為を思い出すと、ぜんぜん興奮できない……。

 まあ、色々あったんだよ。色々。


 みしろは気を失いながら、意味不明な言葉を繰り返している。


「さて、呼んでくるか……」


 俺は部屋を出て、自分の部屋へと向かう。


 中に入ると、夕月が起きていた。


「よう」

「亮太君……」

「ちょっといいか? 大事な話があるんだ」


 夕月は素直にうなずく。多分これから起きることを知らないからあっさり了承したのだろう。


 俺は夕月とともに、彼女ん部屋へと向かう……。


「な、なんですか……これ……?」


 地面に情けなく倒れている、姉のあられもない姿を見て、夕月が絶句する。


「亮太君、これは……?」

「みしろ、だったもの。さっきまで暴れててヤバかったからさ」


 俺はここまでの経緯を話す。


 四葉の提案で、夕月の前でみしろとやることになったことから、今に至るまでの出来事を。


「でも暴れまくっててさ、おとなしくさせるのに、苦労したんだよ」

「く、苦労って……」


 床には、さっきまでに使った道具が落ちている。


 ガキ使の年末スペシャルに使う、あのケツ叩く軟質性の棒。


「こ、こんなもの……何に使ったんですか?」

「まあ、御想像にお任せする」


 俺は部屋の隅までいき、セットしていたものを持って、夕月に渡す。


「こ、これは?」

「ビデオカメラ。さっきまで行為が写ってる」


「んなっ!?」


 さすがに驚くか。

 この義妹がびっくりしてることなんて、めったないから、ちょっと優越感。


「なんでそんなことを!?」

「みしろから言い出したんだよ。あとになって、警察沙汰とかになったときの証拠だって」


「証拠……」

「ああ。俺に虐待されたんじゃなくて、自分から言い出したことなんだっていう、証拠」


 さっきまでの行為は、マジで人に見せられないし、ともすれば通報されかねなかった。


 それくらい、やばかった。


 だからもしも警察が来た時に、これはみしろがのぞんでやってることなんだってための、証拠をとろうと、みしろ自身が言い出したのである。


「…………」


 普通に、夕月ドン引きしてた。

 だよなぁ。


「夕月。今から、お前に教えてやるよ。おまえが劣等感を感じてた姉が、本当は全然、たいしたことないってことを。天使の、正体をな」


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