異世界でアイドルをプロデュース!
@AZ1009
第1話
「プロデューサーなんて大っ嫌い!」
広い事務所の中で高校の制服姿の少女が叫ぶ。デスクの向こう側に座る20代なかばのスーツ姿の男性に向かって両の小さな手を握り締めながら。
「じゃあ断って良かったのか?モデルの仕事やりたかったんだろ?喜んでたじゃないか」
「そりゃそうだけどカメラマンがあいつなんて聞いてない」
彼女が文句を言うのも理由がある。
そう、今回の撮影のカメラマンが彼女の叔父だったのだ。名前は聞いていたが血縁関係、さらには彼女が嫌っているとは知らなかった。もともと決まっていたモデルの体調不良による急遽の代わりの仕事だったので打ち合わせが疎かになってしまっていた。
「それは悪かった。こっちの連絡不足ですまない。でもいい写真だったよ。可愛かった」
「ま、まあいいの撮って貰えたからいいんだけど」
少し照れる彼女にいいんかい!じゃあ文句言うんじゃねーよ!
と心の中でツッコミながらその言葉を飲み込む。
「とにかく明日のレッスンも早いんだから帰って休め。ライブも近いんだからメンバーに遅れるなよ」
「わかってるって!センター舐めないでよね!」
ふふん、と笑う彼女の笑顔はなかなか魅力的だ。あらためていい子を見つけたと思う。裏表のない彼女の性格にファンも多い。これからもグループを引っ張っていって欲しいと心から思う。
「じゃあね!プロデューサー!お疲れ様でしたー!」
「ああ、気をつけて帰れよー」
扉が閉まってから少しため息をつく。
俺もこの書類を片付けて帰ろう。
I
I
I
そして翌日。目が覚めたらそこは森の中。自分が異世界に飛ばされるとは思いもしなかった。
異世界でアイドルをプロデュース! @AZ1009
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。異世界でアイドルをプロデュース!の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます