親父が自殺した理由

羽弦トリス

第1話親父が行方不明になる

その日は一昨年前の4月の末に近い頃だった。何の気無しに母親に電話した。

すると、電話には出たが弟の運転で親父を探していたようだ。

山や田んぼ、畑をくまなく探しているようだ。

少し落ち着いた時、

「とーちゃんが、前の晩に散歩に行ってから帰ってこない!」と。

事態は好転しない。家族は警察、消防団に連絡して、数十人で親父を探した。

山は殆ど捜索し、警察犬も力を発揮できず、捜索1日目は発見されなかった。


まだ、4月の22日である。朝晩は冷えるのに何をしているのか?

この時点では、僕はもう諦めていた。


生きてはいない。と。


翌日は150人体制で捜索した。その日も朝から夕方の5時まで捜索した。近くに河川があるので消防のダイバーも出動していた。

もう、捜索打ちきりの5分前に、ダイバーの1人が叫んだ!


「はっけ~ん!」


僕はコロナで、地元の人が嫌がり実家には帰れなかった。葬式も。


弟が警察、消防、消防団に挨拶した。立派だったと未だに語り継げられている。


弟は上がった父の顔を確認して、司法解剖に回された。

母はパニックで、親父が発見されたので、私も病院へ迎えにいく!と言って聞かなかった。

すると、親戚が母にもう、お父さんは亡くなったの。気をしっかりしてっ!と、言われていたらしい。


そこで、死因は溺死だが、そのカテゴリーに「自殺」と書いてあった。

しかし、警察は自殺する人間がとる行動ではないですよ!と、言ったらしい。それは、後で書くが、不審死なのだ。

司法解剖では無くてMRIだったらしい。

親父を仏壇前に寝かせて、通夜が執り行われた。

弟は深夜、親父のそばに座り、焼酎を飲んだそうだ。


借金も無ければ、仕事もある。突発的な自殺ではないか?と踏んでいる。

だが、数日前からおかしかった。

それは、また次回。


親父!あなたの死は忘れない。だから、文章にしたのだ。許してくれ!



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