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熱や発作は相変わらずだったけど、彼はそれに慣れてしまったようだ。彼なら、地獄にいたって、いずれはくつろぐすべを見つけ出すだろう。
最初のうちこそ調子がうまく出ないみたいだったけど、何日かすると、彼はすさまじい勢いで言葉を
三十八度近い熱があっても、激しい
目にはかつての光が宿り、彼の
彼はなにかに取り
ああ、とわたしは思った。彼が戻ってきた。この狂気すれすれの才気こそが彼だった。
結局彼は千八百枚書き、五百枚削って、それを出版社に郵送した。
さて、と彼は言った。
「どうだろう? 彼らに字が読めるんなら、結果はひとつしかないと思うけどね」
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