五十音は、十人十色
五十嵐 怜
第1話 佐藤蓮による学校紹介?
〈ピッピッピッ ピー ピッピッピ〉
「う〜ん、んん……」
俺は暖かい布団から出たくなくて、布団の中に潜る。すると、丁度いいタイミングで、
「
甲高い母さんの声が響く。そして俺は、渋々ベッドから起き上がると、俺が通う学校──
「起きたの〜?」
「ふわぁ〜、起きたよ」
俺は部屋を出て階段をおりる。すると、洗面台には2つ下の妹の
「どいてくんない?顔洗いたいんだけど」
「ムリ、台所で洗えば?」
「だったらお前も自分の部屋でメイクしろよ」
「ムリ、鏡小さい」
いつもこうだ。これが俺──
「もぅ、
「はぁ〜い、ほら兄ちゃんのせいで怒られる」
「なんで俺のせい!?」
「思春期ってやつだよ、許してあげな」
父親もやはり男。容姿端麗な妹には、甘いらしい。これで性格もよかったら、パーフェクトなんだけどな。
「ほら、
「はぁ〜い」
俺たち家族は4人。いつも朝はこうやって4人でご飯を食べる。
「ごちそうさまでした。じゃあ、行ってきます」
「いってらっしゃい。気をつけるのよ?」
「わかってるよ、小学生じゃないんだし、飛び出さないって」
俺は昔、ボールを取りに車道に出てしまったことがある。その時の記憶は今もこびりついていて、思い出すだけで怖くなってくる。あの時は車が止まってくれたけど、もし俺に気づいてなかったら……とか。
「おはよう、
「おはよう、
俺の言葉を聞いた
「あ〜あ、
「そんなこと言わないでやってくれよ。
「そうかなぁ、人のことを見下してる気がするけど」
「あいつの
「あっ、今日は風紀委員が居る日か」
うちの学校には、週に3日ほど、風紀委員が立って服装などをチェックする日がある。
「今日は誰なんだろう?」
「さぁ?風紀委員に誰がいるかもわからない俺に聞くか?」
「今日は、
「
「行かないんですか?先輩方」
「えっ?!ああ、行くよ」
俺は校舎へと歩いた。さっきの奴は、
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