DEATH AUXESIS

Leiren Storathijs

第1話 死

 私は死んだ。

 あの時の瞬間をしっかりと記憶している。


 全身を一撃で砕く衝撃は痛みなど感じられる暇は無く、ただ自分は死んだという瞬間だけが鮮明に視界に残る。


 人間は脳を破壊されない限り、首を切断されても数秒は意識が継続するものだ。

 ただその意識はほぼ無であり、突然絶たれた神経から完全に機能が消滅するまで、脳は数秒間残った力で微かな情報を『認識』することしか出来ない。


 しかし私はそれらを認識し、記録し、保存まで出ている。消える事ないものとして記憶出来ているのだ。


 簡単に言おう。私は電車に轢かれた。

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