【東京Build】アーバンファンタジー東京愛! レアスキル取得で今の時代を謳歌する

@JAMUNITED

EP1 初めまして大和タケルです

オレは202×年4月、この春から

東京の大学に通う18才、大和タケルだ。

地元は田舎も田舎の地方都市のひなびた温泉があるところだ。


高校までは自転車で通えるところで進学し

オレの行ける世界もそこまでの範囲内だった。


それはそれでいい青春を過ごせた。


友達も皆同じで東京への憧れては半端なく

高校生最後の夏休みに一度だけ

深夜バスに乗りネカフェに泊まり

親友3人で2泊3日で青春旅をした思い出がある。


そして今、

「オーーーー!やっと東京に!」

「オレは今日から東京の人だーーーー」

なんて…な。


まだ東京の事は何も知らないし

ネットで検索できる情報で頭でっかちだ。


しかしワクワクが止まらない♪♪

ドキドキもMAXだ!


住まいは練馬区の江古田というところだ

昔ながら古き良き東京のノスタルジーを

感じると言えるいい感じの雰囲気の街である。


初心者のオレには世田谷区、中央区、港区、新宿区、渋谷区、目黒区はまだ早いし落ち着かない。


ここからオレは中野区、杉並区を足掛かりに東京の中心へとコマを進めるつもりだ。


駅から15分のタイル貼りの3階建の

へー◯ルハウス風物件、道路に面した角部屋、8畳ワンルーム。

実家の部屋と同じ広さがあり十分だ。


オレは引越し屋と一緒に軽トラから荷物を部屋へ運び込む。


(よいしょ!あいしょ!)

『お客さん!この荷物はどこへ?』


「あ、それはこっちへお願いします」

「それからあれはそこに、残りはここへ」


『ご利用ありがとうございました!』


取り敢えず部屋に荷物を運び込み

荷物を荷解きし段ボール、可燃ゴミをまとめゴミ捨て場へ持って行く。


部屋はまだベッドしかない。

やけに広く感じると不意に寂しくなった、、、、


「いかん!いかん!こんな調子じゃ」


ゴミ捨て場に行くと腰の曲がったお爺さん(水戸の御老公様の初代、東野◯治郎に似た)がたくさんのゴミ出しをしていた。


重そうに運ぶ様子を見て手を貸した。


「お爺さん!大丈夫です?手伝います」


『おや、おや、すまんの〜よいしょ』


「これ全部ですか?」


『あ〜そこの全部じゃ』


「はい!」


『ありがとうな〜若いのに気が効くの〜』


お爺さんはオレの下の階の住人で

ここを引き払って田舎へ戻ると言っていた。


東京へ憧れて来るオレ

東京から田舎へと戻るお爺さん

なんか少し感じるものがあった。


お爺さんはまだまだ使えそうな家具や

古本をゴミ捨て場に持って来ていた。


そういえば、、、?

オレの部屋まだ何も無かったな

ちょうど買おうと思っていた収納BOXが目に止まる。


「ねぇ、お爺さん!これ捨ててしまうならオレが貰ってもいいかな?」


『ああ、構わんよまだ使えるじゃろ』


オレはお爺さんにゴミ捨て場の収納BOXとか捨ててしまうならこれ貰っていいかと尋ねお爺さんは笑顔で使える物があれば持って行きなさいと行ってくれた。


オレは収納BOX 2個

エコバッグ

ショルダーバッグを貰って礼を伝えた。


ゴミ出しを手伝ったオレをお爺さんは部屋へ案内してくれ冷たい麦茶をいただいた。


『さあさあ、上がりなさい』

『少し休憩じゃ』

『お陰で片付けもかなり進んだよ』


「そんなそんな大したことないです」

「麦茶いただきます!冷たい〜(ゴクゴク…)

あーうまい」


お爺さんの部屋はまだ片付け途中でなんやら本がたくさんあり文豪の部屋のようだった。


どこぞの小説家か?

ゴーストライターか?

学者か?

教授か?

何かか?と感じさせる。


それからお爺さんの田舎の話しを聞いた。

途中話しが脱線してなんやらおかしな?

異世界ファンタジー小説見たいになったが

とても楽しい時間を過ごした。


いつの間にか外が暗くなっていた。


『おや?そろそろ夕飯時か…』

『お主もお腹空いているやろ』


「ええ…」


お爺さんが行きつけの中華屋さんから出前をとってくれた。


『ここの中華丼はめちゃくちゃ美味い!』

『まあ、食べてみなさい』


(ブーーーン、キィーーー!)

(まいど〜お待たせしました。えっと中華丼を2つと餃子2枚ね。毎度あり〜)

(ガチャ、ブーーーン!)


「いただきます!めちゃくちゃ美味い!」

「餃子はパリッとじゅわ〜」


『そうだろう、そうだろ』

『美味しそうに食べるの〜』


この美味い町中華は駅前にあるらしいから

オレのお気に入りに登録しておこう。


おやすみの挨拶をして部屋へ戻った。


今日は一日身体を使ってかなり疲れたので歯を磨いてそのままベッドに直行した。


翌日、起きたらもう昼近くになっていた。


今日は部屋の片付けをする。

足りない物の買い出しや駅前周辺の散策などなどやる事山盛りだ。


まずはシャワー浴びて、母親が用意してくれた田舎の銘菓を持って下の階のお爺さんへあらためて引越しの挨拶と昨日のお礼をしに降りた。


(ピンポーーン!)

(こんにちは〜!)

チャイムを鳴らすが返事がない。


オレはお爺さんが倒れたんではないかと思い慌ててドアを開けて声を掛けた。


「お爺さん!大丈夫ですか?」

???…


そこは何も無い空っぽの部屋だった。


「たしかに昨日ここでお爺さんと…」

「そうか!オレが昼過ぎまで寝てたからその間に引越し業者が来て荷物を運んだんだ」


「最後に一言挨拶をしたかったなあ」

なんだか少し寂しくなった、、、、


「いい人だったな…」


東京に来て初めてのご近所さんだったから尚更寂しくなって来た。


田舎の銘菓を朝食がわりに家の前の自販機で缶コーヒーを買って飲んだ。


自分の部屋の片付けをしてから

今日は段ボールゴミの日なので片付けで出た段ボールをゴミ捨て場へ持って行った。


ゴミ捨て場にはすでに段ボールと

他に本が数冊捨ててあった。


最近はネットで買い物をするからア◯ゾン、楽◯、ロ◯スなどのロゴが入ったものがたくさんあって、そこにパンダマークの段ボールを捨てた時…


(ゴソッ……ゴソ)

ゴミが崩れた。


「あーーー余計な手間が…」


すると崩れた山の中から積んでいた本が足元に転がりページが捲れた。


それは洋書なのか図鑑なのか?

丁寧にかがり綴じされた厚さ5㎝はあろう

ぱっと見お高そうな雰囲気を漂わせた逸品だった。


周りをキョロキョロ見まわし…

誰もいない事を確認して…

5.6冊あった本を部屋へ持ち帰った。


「う、、、重いな」

「こんな時になんでエレベーター無しのしかも3階なんだよ」

とボヤく、ボヤいても始まらない。


(えいしょ!よっこらしょ!ふぅ〜〜)


オレは汗だくになりながら

部屋に着いたらそのまま倒れこんだ。


受験の為に部活が辞めてから

がっくと体力落ちたな。


元は古武術部に入っていた。

代々田舎にある伝統文化的なもので春夏秋の祭りで披露する演武のようなものだ。


いつも神社の境内で修行という名の苦行を行い、よく裏山を全力で走らされたものだ。


あーー青春の思い出だ。


冷蔵庫からコンビニで買って置いた麦茶の1ℓパックを出してイッキに飲んだ。

全部飲めなかった、

溢れてTシャツがびしょびしょだ。


「あーあ…また余計な洗い物が増えた…」


あの頃部活の休憩中によく友人とイッキ飲み対決した事を思い出してやって見たがこのザマ。


体力的にも自分が少し年老いた感を感じた。少し寂しくなった、、、、。


今日はもう何もやりたく無くなった。

拾ってきた本でも見てだらだら過ごす事にした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る