第10話 さらなる強敵
なんとか幹部2人を倒すことができた。まだまだ強敵が待ち受けていることだろう。気を引き締めて進まなければならない。
しばらく進むとそれはやってきた。次の幹部がお出ましのようだ。今度の敵を遠巻きに観察していた。どうやら次の敵は人間の幹部らしい。おそらく相手もこちらに気づいているのだろう。どちらが先に攻撃を仕掛けるか、にらみあっている。
防御魔法で敵の攻撃を防ぎつつ、情報収集を進めていきたいと思う。弱腰な姿勢を見せてしまうと命取りだ。臆することなく堂々としているほうがいい。敵が武器を持っているようには見えない。しかし、そうはいっても幹部なのだ。油断するべきではないのだろう。慎重に動かなければならない。
どうやら相手も魔法を使うようだ。幹部というだけあって、並たいていの魔力ではない。防御魔法だけでは勝てない。有効な攻撃をしたいところだが、いくつもの属性を使いこなしている。作戦をしっかりと練る必要があるだろう。
敵はかなり動きが素早い。次の動きを予測することは簡単なことではない。後ろを取られないように気をつけなければならない。なんとかダメージを受けないように敵に食らいついていく。
しばらく戦闘を続けていると、敵の攻撃にパターンがあることが分かってきた。そのパターンで攻撃の予測をすることができる。相手の魔力を吸収することが先決だと考えた。そうすることで敵の魔力を弱め、戦いやすくなる。最初こそ強そうな敵であったが、魔力が弱まってしまえばただの人間だ。もちろん、僕だってそうなってしまう可能性はあるのだが......
魔力をそいだからといって、ほかの攻撃手段がないとは限らない。なんせ中堅クラスの幹部なのだ。油断して負けるなどあってはならない。注意深く相手の動きを観察することにした。
意地になっているのか、敵が体当たりばかりするようになった。魔法以外はまったくもって使い物にならないのだろう。そう確信した僕は、一気にとどめを刺した。最後はあっけなく勝敗が決まった。たしかに敵は魔法こそすごかったが、それ以外がダメすぎて致命的な穴となったのだ。もちろん、僕だって魔法と剣術しかこなせないだろう。はじめから剣を相手に見せている。何があろうと相手に悟られない奥の手があってもいいのかもしれないと思った。
残る幹部はあと2人だ。どんな敵が待ち受けていようとも、ただ前に進むだけだ。立ち止まってなどいられない。しばしの休憩をとったのち、奥へと歩みを進めた。
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