《番外編第16話》異形のリグレット
リイナの後押し含め、メルが
既に致命傷を
争いの最中に生じた安らぎの光景。これを見たルシアが「亡くなった者は星となって夜空を照らす……か。
しかしその
(………片腕と両脚を失ったのに足りなかった………!?)
アスターが自身のしくじりを自覚した。
一撃必殺には至らず
「
頭を横に振ってローダがアスターの失態を否定する。メルとリイナの邪魔に入ろうした巨人。上半身こそ前のめりであったが、下半身だけ引き気味という
けれどもアスターにしてみれば実に
「………一体何を
「………判っている」
それに………『まだ何も終わっちゃない』と告げ、
………そう、確かに最悪の事態は
長い
背中に生やした羽根も暗黒。ローダの白い翼をメルが『天使』と形容したが、此方は真逆『
全身の凹凸が
最早、性別はおろか何処に種別されるべきものかすら
「何だァ? この化け物、俺の
「チッ、こりゃ
次弾を
「………で、でもさ。アイツ一人
こんな化け物を目の当たりにして、未だ落ち着いた
リイナは決して驚いていない訳ではないのだが、さらにその顔つきが
レイも
(………こ、この人達やっぱり
自分が余りに場違いな存在であることを認めざるを得ないロイドであった。
「
「炎の精霊達よ、我が拳に宿れぇ!」
先ずロットレン夫妻が仕掛ける。己が剣の名を説きながら、両手で握った剣を真横に振るい、リグレットの手首を狙うローダ。斬るというより出方を
一方、新妻ルシアは
「クッ!」
「な、何ィッ!?」
だがローダの剣は、リグレットの手先から
ルシアの右拳は、狙った胸が瞬時に巨大な顔へと
─見たか
勝ちに誇ったリグレットの叫びが各々の頭に直接刺さり、絶望を与えようと
自分の手を握る小さな手が汗をかき、
「な、何なのアレェェ! リイナはアレが怖くないのぉ!?」
「………怖くないよ、
「………??」
相も変らぬ
さらに背後へ流し目をする。釣られてメルも後ろに視線を移してしまう。強大な敵を目の前にしているのだから、本来ならば
メル達の背後に居る者………。それは冷静な目を湛えた金髪の剣士であった。
全く
さらにその隣人。一見引き
炎の精霊が宿るスリングショットで一瞬の
「何であの人があれ程落ち着いていられるか………メルにだって判る筈だよ」
「………!」
そう告げているリイナの全身から
(私が自信を
それは少々
それに自分やアスターだけじゃなかった。パルメラにガレッツォ、そしてパルメラが連れて来た連中。
加えてこの友達が心底信じているのであろう仲間達とて、勝利を確信している者だけが
これは各々が自分の力だけを信じている独りよがりの
(………そうだ、私にだってまだ出来る………違う、私にしか出来ないことをやり切るんだ!)
恐怖から強く握られていた手が、再び力を宿した本物の強さに戻ったことを知り、
「ヴァーミリオン・ルーナ。
ゴオォォォッ!
燃え盛るリイナの炎が、躰の至る所に
既に不死鳥は我に在り。自分の中から引き出す
「………炎の翼、鋼の爪、今こそ羽ばたけ不死の
最後の
そしてリイナの
「エターニタ・ルシーオ、不死と永遠の同居する孔雀よ。その羽根をこの勇士等に授けよ。羽ばたき、そして導け! 『
さっきとうって変わった昂ぶりを感じる詠唱が
全身から炎を噴き出す炎が
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