第2部あらすじ
黒の剣士マーダとの戦いの記憶を完全に失っていたローダ。ベッドに寝たままルシアから内容を聞くが、その自身の戦いぶりは凄まじいもので、にわかには信じがたいと感じた。
またルシアの容姿がとても美しく、ローダは心を奪われそうになる。そんな彼の想いに気づいたのか2歳上の彼女は、彼をからかううちに、相手の事が可愛らしく思えてくる。
そんな若い二人をニヤニヤ見ながら乱入するガロウ。彼はローダにアドノス島が、これまでどうやって大陸からの侵略から逃れてきたのか。
そしてマーダによって滅ぼされたその経緯について概要を語る。
アドノス島は一番栄えている『フォルデノ王国』を中心に、林業が盛んな『ラファン』、山と谷だけで然したる産業がない『カノン』、
そして今のローダ等がいるエドナ村を擁する『エディン』。1つの王国と6つの自治区の民衆軍が互いに牽制し合い、争いが絶えない恐ろしい島だという虚言を大陸の連中に伝えてこれまでの平和を維持してきた。
実際の所、そこまで争いが絶えないという程、関係は悪くはなかったのだが、この島国に手を出す事は容易ではないと、思い込ませるのが真の目的であった。
だが5年前の世界的大不況にフォルデノ国王が、一度この島を真に統一しなければその状況を打破出来ないと決意し、王国と自治区連合軍は戦争状態に突入する。
しかし戦争発端当時、連合軍は王国騎士団よりも強かった。国王の首を跳ねようと迫りくる連合軍。
フォルデノ国王自身、アドノス島の強さを思い知り、これはむしろ自分が負けを認め自害すればアドレス島は、再起出来ると思った矢先………。
黒の剣士マーダがたった100人の『ネッロ・シグノ』と自ら呼称する兵を引き連れ、フォルデノ王国に勝ちをもたらすと宣言。
フォルデノ国王は、100人ごときに何が出来るとばかりに半ば呆れつつこれを承諾したところ、同軍はマーダと10人の超精鋭『ヴァロウズ』の力でもって、兵力20倍以上の民衆軍を蹴散らしてしまう。
そこまではまだ良かったのだが、ここでマーダが王国にも反旗を翻し、フォルデノ国王は命を落とし、王国そのものがマーダの支配下に置かれてしまった。
さらにガロウはローダに不思議な事を言う。黒の剣士マーダは戦う最中、途中からまるで剣術指導をする親しい間柄の様な口調で、ローダに接していた事を。
もっと言ってしまえばマーダこそ、ローダの探す兄、ルイスなのではないかと告げるのだ。
ガロウ曰く、マーダという名の人間はアドノス島350年の歴史において、姿・形を変えて幾度となく登場していた。
まるで他人を乗っ取りながら、これまで生き抜いたきた様な形跡があると。
彼等は真意を探るべく、ガロウとルシアの師であり、尚且つエディン自治区民衆軍のリーダーでもある『サイガン・ロットレン』に話を聞きに行くべきという結論に至る。
◇
一方、エディン自治区の真南に位置するラファン自治区の首都・ディオルに住む元王国騎士『ジェリド・アルベェラータ』とエディウス神の天才司祭『リイナ・アルベェラータ』
此処へジェリドの首を獲りにヴァロウズ3番目の実力者と言われる『トレノ』が巨大な狼と共に単騎で現れる。
小さい身体をものともせず、エストックと狼で巨大な戦斧使いであるジェリドを翻弄したトレノであったが、ラファン自治区民衆軍のリーダーであり歴戦の勇士でもあったジェリドは、狼の命だけを奪いトレノを追い払う事に成功する。
そしてその戦いの興奮も冷めない夜に、アルベェラータ親子は、リイナと幼馴染で愛情を抱き始めていた少年『ロイド』に告げる。
エドナ村であのマーダを退けたという青年達に合流するために、二人揃ってこの街から旅立ちを決意したことを。
翌日には、故郷ディオルを旅立っていった。
◇
サイガンが住まう洞窟を目指すガロウ一行。エディン自治区の首都であり、その機能はフォルデノ王国を最早凌ぐとも言われる『フォルテザ』を治めているヴァロウズ2番目の学者『ドゥーウェン』とその配下ハイエルフの『ベランドナ』
彼等はガロウ達の動きを知りながら、何故か傍観するのであった。
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