第4話 小さな村の意外なる抵抗
甲高い
村の
家の中にいる者は
鐘が
村に4つある櫓には弓を持った戦士達が、音を立てずに静かに登り、黒づくめの集団を
ルシアは一人、木に登り枝の影に息を
黒い集団の先頭には全身に鋼の鎧を
人の半分の
そして真ん中には、全身を黒いマントに包んだ若い剣士が、とても
そのすぐ
櫓の上の戦士達は、砂浜を
「今だ、放てぇぇ!」
人には理解出来ない悲鳴を上げながら、ゴブリン達はバタバタと倒れてゆく。先頭の騎士二人は、
女魔導士と中心にいた黒づくめの剣士は、
「ハアッ!」
先頭の騎士が馬に
女魔導士と黒づくめの剣士は歩幅を変える事なく、ゆっくりと村を目指す。
第二、第三の矢が放たれた後、民家や木々の後ろに隠れていた男達が一斉に飛び出した。
黒づくめの集団へ向かって走り出す。その数15人程。
上半身裸で
統一性のない集団だが、彼らはフォルデノ王国の圧力政治に
その集団の最終列に
この村のレジスタンス軍を
レジスタンスの連中は、それなりの
ゴブリン共は、彼等とロクに武器で語る事なく踏み潰される様に絶命、または敗走していった。
先陣の馬上であった騎士達も、あっという間に馬をやられて騎乗から慣れない砂浜の上での戦いを
王宮の騎士と言えど、これでは
鎧の
「我が暗黒神よ、その竜が如き爪を此処に示せ『
後ろに
「くっ!」
上半身裸の戦士はその一見無防備な右肩をその光に切り裂かれたかの様に見えた。しかし致命傷に至らず、戦士は意に介せず
(おのれ、魔法の盾かっ)
女魔導士は舌打ちした。レジスタンスの連中にも魔法に
「ならばこれでどうだ! 暗黒神の使いの竜よ、全てを
女魔導士の目前の宙に火球が姿を現し、火球が一気に
そう………ディンとローダが船上で見たあの火の玉である。
「あれはいけないッ! 風の精霊よ、私に自由の翼を!」
枝の上に身を潜めていたルシアは、風の精霊に命じると同時に木を蹴った。
ボウガンから打ち出された球の如く、彼女の身体は一直線に飛び出した。
しかし彼女の方向は女魔導士ではなく、斧の戦士の背中であった。
「ごめんね」
と、軽い
「炎の精霊よ、
ルシアの左拳がボッと燃え盛かった。加えてその拳を女魔導士の目前に浮かぶ火球へと真っ直ぐに突き出す。
「な、何ぃ!?」
火球とルシアの左拳が衝突し、大きく
「ば、馬鹿な!? 火に火をぶつけて
不覚にも女魔導士は
女魔導士はたまらずその身を守るために、大事な魔道の
踏み台にされた斧の戦士はヒューと口を鳴らしてルシアの身のこなしを
唯一の武器を失った女魔導士は、ルシアの攻撃範囲から逃れるべく
(この女、魔法力を瞬時に付与して攻撃にも防御にも転じる。そして何よりもこの動きの良さ、まるで我が主様のようではないか!)
女魔導士は悔しくて唇を強く嚙む。相手の女に対してというより、
一番後ろに控えていた黒づくめの剣士は、不意に甲高い笑い声を上げる。部下の兵達が
「なんだなんだ、お前達。そのだらしない様は……」
そう言ってまた笑い続けた。腹がよじれているのかも知れない。笑い過ぎて肩で息をしながら自分の笑い袋の
「フォウよ、お前すらあんな小娘に後れを取るとは。これは
馬上から女魔導士に
フォウと呼ばれた女魔導士は、小走りに男の横に駆けつけて膝を折って頭を深々と下げる。
「……
深々と頭を下げるしか出来ないフォウ。またしても自分の
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