第2話 屍術師の力を匂いで見抜く侍
ガロウもアイリスを使いこなせるに至ったらしい。彼もVer2.0を身体に取り込んだ際の身体への負担に相当苦しんだ筈だ。
それに見たところある程度のダメージを受けないと発現しないという条件を、
研鑽はともかく気合いって………。助けられておいて何だが「それってどういう……」という気分のドゥーウェンである。
「おう、
「は、はぁ…………」
「
訛りも言ってることもまるで伝わらず置いてきぼり感が
「あ、あのう………ガロウ様」
「んっ?
「大変言い
刀の
「あーっ!
ニヤッって笑いながら一応
「おいっ!
「アアッ? テメエ、何を言っているのか判らねえんだよッ! アマン山の時といいまた俺様の邪魔をしやがって!」
堂々と向かってくるガロウに
ガロウが人間技とは思えない速度で動き、
「要するに
小馬鹿にした顔でガロウは、本来の意味で「術の種」をアッサリと当てに走る。これを聞いたオットーの顔色が変わる。
「
ガロウがいつになく多弁でかつ、ドゥーウェンやベランドナですら
「ガ、ガロウさん!? そ、そういう事ですか……
「………150年前の神竜戦争に
「べ、ベランドナ?」
ドゥーウェンが
ベランドナの顔色が何時になく
「ほぅ………随分と頭のキレる侍だな。
「…………っ!?」
「………やはり」
「そうだ………この肉体はマーダ様が与えてくれたもの。この中に生きる我は
ノーウェンがこの場で初めてあの特徴的な口調で喋る。オットーの後方で如何にも自分が
「それは
(………ベランドナ? 貴女もしや……。そしてノーウェンとは暗黒神の力にマーダか
指先まで綺麗な手で指差しながら鋭く指摘するベランドナ。ドゥーウェンにもようやく状況が把握出来てきたようだ。
「あ?
実は聞かれてもいないのに勝手に応答するガロウ。少し間を置いてからさらに続ける。
「
口角の右だけを吊り上げながら、ガロウが意識を向ける相手をオットーからノーウェンに変えた。
(マーダが作った
不敵な笑みを浮かべるガロウとは対照的に、ドゥーウェンはそんなことを
「ベランドナ。すまん、気が変わった。
「一体何を遊んでいるの! 再び受けなさい、
フォウが自分そっちのけで話ばかりしている連中に向けて、再び爆炎の術をコルテオに載せて運ばせる。ドゥーウェンに2つ、ガロウに1つ。
「『
「
ガロウは刀を最上段に上げる
ドゥーウェンの方は先程と同様にオルディネによるシールドを張り
火球は再び盛大に爆発したが、ガロウもドゥーウェンも全くの無傷であった。
「へっ!」
「2つじゃ効きません、これしきでは落ちませんよ!」
「テメェら! 俺様無視して勝手に盛り上がってんじゃねえぞ! 再び喰らいやがれッ!
次はオットーの蜘蛛の糸が二人を
「フンッ!」
加えて気合だけでそれを吹き飛ばしてみせる。
「なっ!? ば、馬鹿な!?」
「風の精霊達よ、ガロウ様に自由の翼を!」
驚くオットーを
「フッ、
オットーを容赦なく蹴散らすように一瞥するベランドナ。続けざまに再び弓矢を3本
「それは効かねえんだよッ! 馬鹿めッ!」
その矢を全て撃ち落とすべく、オットーが目から光線を放つ。
だが次の瞬間、オットーの背中に激痛が走る。気が付けば撃ち落とした筈の矢の内の1本だけが、背中に深くくい込んでいた。
「な、何だ? これはッ!」
傷のダメージも辛いが、何より驚きで動きが止まるオットー。
「風の精霊に載せて運んだだけの事。そんな事も判らないなんて、一応同じエルフでありながら
ベランドナはただでさえ浮いて頭上にいるのに、
「グッ……」
「お前にはサッサと退場して貰う。エル・ジュリオ・デ・ディオス。雷鳥よ、神の裁きよ、我が力となりて敵を
ベランドナがレイピアを空へ
しかし彼女は傷一つない。レイピアが
そして矢の代わりにレイピアを弓へあてがう。その
「よ、よせッ! そんなモノを喰らったら魂すら消え失せるッ!!」
地面で
「我の雷撃で最高位の
稲妻を纏ったレイピアが撃ち出される、その輝きはまるで
「貴様ァァッ! 最期まで俺をッ!!」
「言った筈だ、お前の存在が
ベランドナは何事もなかったかの様な涼しい顔に戻り、その視線をドゥーウェン達に向けた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます