第122話 コインロッカー

いつも待ち合わせた

あの駅のコインロッカーに


あたしの恋心を置いてきました


ことん、と

わざと音をたてて置いてきました


きっと貴方は

もうあの駅で降りることもなく


二人の恋を

思い出すこともないのでしょう


あたしだけが

鍵を握り締めたまま

次の電車に乗れないでいるのです

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