子どもの頃を思い出してください。
今考えると意味もなく時間を浪費したと思うことはありませんか?
ゆるやかに流れていく時間の中で、単純にボーっと意味もなく過ごしていたこと。
意味のない会話で盛り上がり、意味もなく過ごし、意味もなく遊び、そして意味もなく別れる。その繰り返し・・・
さて、その積み重ねた「意味のない時間」は、本当に意味のないものだったのでしょうか?
このお話に出てくる幼馴染のふたりはもまた、そうやって時間を積み重ねていきます。
同心円上の同地点から反対方向に歩き出した彼と彼女。
普通に考えたら、くるりと振り向き、ただ、同じ方向に向かえばいいだけです。
でもそんなことはしません。
そうやって、無意味ともいえる時間を積み重ねたふたりはどういう方向に向かうのでしょう?
絶妙な距離感と、ゆるゆるとした時の流れを漂わせるこの作品
私も、ゆっくりと長い目で見ていきたいと思います。