たかが詩じゃないか

詩音 悠

『君は優しく抱いてくれたね』

僕の心の奥底に 

潜んでるんだ少年が

どこか冴えない奴なんだ 

臆病者だと笑われた

自分自身に嘘をつき 

つらい夢だけ見続けていた

濁りのない空が 青く広がって

向かい風に揺れ 佇んでた

誰かの視線から 

逃げることだけを

考えていたよ 裸足のまま

壊れかけてた 僕の心

君は優しく 抱いてくれたね



僕の心はひび割れた 

厚い扉の奥にある

憂鬱な日々の真ん中で 

ひとりぼっちで迷ってた

目には見えない愛なんて 

信じたくないそう思ってた

西の空に沈む 赤い夕焼けが

零れた涙を 赤く染めて 

子供じみた仕草 

演じてみたけど

見ぬかれていたね 哀しい嘘

埃まみれの 僕の心

君は優しく 拭いてくれたね



深い溜息つきながら 

生きてゆくのが苦しくて

絵に描いたよな幸せに 

憧れていたいつの日も

夜の暗さにつまずいて 

朝の光を追い求めてた

蒼い空の星が 無数に瞬き

僕の悩みなど 蹴散らすよう

足掻きながら無駄に 

時間だけが過ぎ

無意味な常識 脱ぎ捨てよう

縛られていた 僕の心

君は優しく 解いてくれたね

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