第152話「会いたくなきゃ会わないもんね」

会いたくなきゃ会わないもんねって言いながら僕は夜道を歩き出す、この気持ちを日届けるために。

「うっわー………………マジか…………」

何となく、本当になんの理由もなく、何気ない思いつきからだった。

「さて、と……」

俺は今ある物を買いに来ていた。そしてそれは俺の目的にはぴったりのものだった。

俺はそれを買い求め、そしてそれを手に帰路についた。

そしてその目的を果たすことができた俺は、思わず感嘆の声を上げていたのだ。

「うおぉ!マジで買えるとは思ってなかったぞ!」

……まぁ、普通に売っている所は売っていたんだろうけど。

ともかく俺は目的の物をゲットできたことでテンションMAXになっていたわけである。いやぁまさか売っているとは思わなかったな。これはラッキーだぜ!ただそんな気分に浸っていた時ふと思ったことが1つあった。

「あれ?でもこれって一体誰得なんだ?」

別に誰かに贈るものでもないのに何故買ったのか、そう思う人は多いだろうが実はこれには深い意味があって……とかではなく、特に深い意味などはないのだった。つまり俺はただ単に欲しかっただけだ、そういうことである。でも買ったのだから使わねば勿体ないと思い俺は早速それを使うことにした。しかしこれどうやって使うものなのか全然分からないんだよなぁ……。

『プップー!』

「あ、すみません」

……っと危ないあぶねぇ……。信号も赤だったみたいだし。全く周りを見てなかった。

『ブォオオオオン』

「はい?ってちょっまっ!!」

『グシャ!!』

あ、これ完全に轢かれたわ……なんていうかなんだこれ?なんかすげぇ衝撃が来てそのまま意識が飛びそうな感じがしたんだ。痛みとかはあんまりなくて一瞬死ぬのかもしれないと思ったがそうじゃないようで、意識はあるようだな……。

「って痛たたた!!いてぇええ!?」

……あれ?ちょっとまって……体が動かないんですがどうすれば良いでしょうか?というか今どういう状況なんだ?なんか凄く騒々しい声とかも聞こえてきた気がするんだけど……ん?なんだ?なんか目の前にいる人達みんなこちら見てないか?しかも何故か慌ただしい様子に見えるし。……あ、そっか分かったぞこれは夢か何かだろ多分……。うん、そうとしか考えられないよな?きっとそうに違いない!よし、とりあえず頬をつねるとしよう。ほら早く目を開けるんだ。そして目を覚ませーーー!!

『ピロン♪レベルが上がりました』

……あぁやっぱりこれが現実なんだな、分かってはいたさ……。まぁいいとりあえず今はこの状況を把握しないとな……。

そう思った時突然視界が切り替わって俺はどこかの街の中に立ってた。えっ、どういうことですか?いきなりすぎて全く意味が分からなかったですが……まぁそこは一旦置いといてまずは状況を確認しましょうかね。俺は異世界転生していた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る