第22話「飾った言葉」
「えー、今日は〇〇大学(仏教系)のA先生が講演するのでみんなで聞きましょう」
「はい
「ご紹介にあずかりましたA・Bです。えー、仏教とはほんにゃらかんにゃらで…」
「……」
あ、これつまんないやつだ。聴衆はそう直感した。
「〇〇はこう仰られています。『〇〇』とほんにゃらかんにゃら…」
「…ありがとうございました。先生に質問ある方は挙手を」
「はい」
「Cさんどうぞ」
「〇〇というのはどういう意味ですか?」
「えーそれは〇〇(経典)からすればほんにゃらかんにゃらで…」
「先生!」
「はい?」
「先生の言うことは相似言語(そうじのげんご)です!もっともらしく仏法を示したかのようなうわべだけの飾った言葉だ。仏法とは似て非なる説法だ!」
「何と言っているんですか!?」
言い争いは小一時間続いた。
大修館書店『禅学大辞典』 相似言語 そうじのげんご より着想。
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