【短編】好きだった幼馴染が結婚し、俺は素直にお祝いした。

白ゐ眠子

幼馴染は勝ちフラグ


 この世に生きる人類の中で幼馴染の男女で恋愛勝者が複数居たと仮定しよう。

 その中で結婚という人生の墓場に行き着く者が全員なのか? と、問われると。

 俺は否と答える。

 それは大半の幼馴染が有りの儘に男女間で付き合う事なく、お隣さんやご近所さんで終わるという現実が殆どなのだ。


 つまり何が言いたいかと言えば?


「ごめんね? 私、旦那が居るの〜。幼馴染だからって恋愛感情が湧くと思ったら大間違いだよね〜」


 結論から言おう。

 俺は振られたのだ、幼馴染のお隣さんから。

 左手の薬指を見せつけられ、いつの間にか入籍していた現実を突きつけられたのだ。

 脈ありと思ったら大間違いだね〜!

 ちくしょう! 家に帰って幼馴染をオカズに抜いてやるぅ!



  §



 俺の名前は安立一矢あだちかずや・十八歳。

 安全第一の「安」に、立ち振る舞いの「立」。

 一本気の「一」に、矢継ぎ早の「矢」を名に冠した高校三年生だった。

 見た目的には平々凡々な男子高校生だった。

 イケメソ? ナニソレ美味しいの? を地でいく平凡学生だった・・・ともあれ。

 今日は卒業式だった。

 この日、最後の別れになる前に付き合わなくてもいいが思いだけでも伝えようと、幼馴染の安曇清花あずみさやかに告白しようと決意したのだ。

 清花さやかの見た目は・・・俺の主観では平凡とは無縁の清楚系美少女で、慎ましやかな胸と大きな尻が特徴の女子高生だった。

 清花さやかとの関係は十五年。家が隣同士でお互いの両親も仲が良い関係にあった。

 そして三歳の頃から俺の後ろには清花さやかが常に居り、十五年という長い月日を仲の良い関係のまま今に至るのだ。

 だが、現実は非情だった。


「まさか相手が何条なんじょう先輩だったとは・・・いつのまに」


 そう、清花さやかの相手は卒業した部活の先輩だった。

 何条なんじょう先輩と清花さやかの繋がりが何処にあったのか不明だった。

 清花さやかは常に付かず離れずの距離に居り、出歩く時もトイレ以外は一緒だった。

 それが気が付けば・・・俺がボケッとしている内に、死角から掠め取られていたのだから、滑稽と思える話だろう。

 清花さやかは言った「幼馴染だからって恋愛感情が湧くと思ったら大間違い」と。

 俺も思った・・・幼馴染のまま結婚まで行き着くとは限らない。

 その範疇に俺も収まったのだからここは潔く負けを認めて新しい恋に向かおうではないか。


「ま、素直に祝ってやるか・・・グスッ」


 そう、俺は明日には家を出る。

 どのみち付き合ったとしても自然消滅となる遠距離恋愛だったのだ。

 終わる事を想定した付き合いなんて清花さやかも望まないだろう。

 こうして、俺の初恋ともとれない恋は始まる前に終わった。



  §



 私の名前は安曇清花あずみさやか・十八歳。

 安らぎの「安」に、曇天の「曇」。

 清水の「清」に、花束の「花」の名を冠した高校三年生だった。

 今日は卒業式・・・隣に住む幼馴染の一矢かずや君が進学と共に家から旅立つ前日だ。

 ただ、私もまさかこの日に彼から告白されるとは思ってもなかった。


「素直に忘れさせてくれないなんて、罪な人」


 思いとしては大好きだった。心から愛していた。

 私の初めてを貰ってもらいたくて後ろに付き従いながら今か今かと待っていた。

 だが、私は思った以上にバカだったらしく大学受験に失敗した。

 そして一矢かずや君は受験に成功し遠方にある大学に通う事となった。

 その現実を知った時、私は足枷には成りたくないと思い、嘘をついた。

 一矢かずや君からの告白を受けた際、気持ちでは天にも昇る嬉しさが心の中を支配した。

 だが、遠距離恋愛という足枷は自然消滅する足枷だと友達が言っていたため、肌身離さず持っていた、一矢かずや君からプレゼントされた大事な指輪を着けて嘘をついたのだ。

 私は結婚なんてしていない。結婚するなら彼しか居ないと思っていたからだ。


「心にも無いこと言って・・・バカみたい・・・グスッ」


 そう、泣き喚いても彼は明日、家を出る。

 どのみち付き合ったとしても遠距離恋愛だ。

 彼は自然と忘れるだろう。私のようなバカな女の事なんて。

 こうして、私の初恋は自身のバカな演技によって速やかに終了した。



  §



 それから数年後、俺は実家に帰る。

 それは就職先が地元に決まり、今後は実家から職場に通う事になったのだ。

 ちなみに恋人はあれから一人も出来ていない。

 何気に清花さやかの事が忘れられないでいたからだろう。

 付き合いが無駄に長い分、忘れるなんてこと早々出来るものじゃない。

 アイツも今頃なら子供が出来てても不思議ではないがな?

 清花さやか何条なんじょう先輩と関係を持つ・・・想像したくない話だが。

 その後の俺は荷物片手に家の門扉を開け玄関前に立つ。


「隣は・・・あんま変わってないな。たった四年だもんな、当たり前か・・・ただいま〜!」


 そして玄関を開けて一声かける。

 すると、家の中から聞き覚えのある声が聞こえた。


「おかえりぃ〜い!?」


 そこに居たのは何条なんじょう先輩と結婚したはずの清花さやかだった。

 最後は上擦った声で目を見開き固まっていた。

 服装は今まで見た事のないオシャレ着だった。

 美少女とはいえ地味目の服を好んで着ていたのだから、あれも何条なんじょう先輩の好みなのだろう。

 いや、どちらかといえばオシャレ着は俺の好みだったが・・・。


「は? (何故、結婚したはずの清花さやかが俺の実家に居るんだ?)」


 俺の思考はフリーズした。

 すると、奥からオカンの声が響く。


一矢かずや? バカやってないで、早く入りなさい!」


 俺はオカンから言われるがまま、固まった清花さやかを見つつ室内に入る。


「お、おう」


 清花さやかはあれから驚くほど成長し、大きな胸になっていた。

 おそらく、何条なんじょう先輩からこれでもかというほど、愛情を注がれた結果だろう。

 あるいは清花さやかのお母さんも胸が大きいから遺伝かもしれない。

 ともあれ、呼ばれるがままリビングに入ると仕事に行っているはずのオトンが待機しており、俺はキョトンとしてしまう。


「ようやくバカ息子が帰ってきたか。ほれ、そこの書類に名前を書け、窓口が閉まるから!」

「は? 何の書類だよこれ?」

「良いから書けばいいんだ!」

「ん? 他が伏せられてるから不穏なんだが?」

「気にせず書けばいいんだ」


 しかし、俺の不安を余所にオトンはサインの催促をする。


(一体全体、何のサインなんだこれ?)


 親が子供に詐欺まがいの事をする話は聞いた事がないが、今まさに行われているのだから怪訝に思うのは仕方ないだろう。

 だが、書かねば終わらず、書かずして出ようとすれば入口前にオカンが立ち塞がっていた。

 前門の虎後門の狼。

 前門のオトン後門のオカン。

 ある意味で墓場、ある意味で災難の前触れにも思え、俺の手は動かない。

 すると、オカンの真横から困った顔の清花さやかが顔を出す。


「久しぶり? 一矢かずや君、元気?」

「元気といえば元気だが、なぁ? 清花さやか? これの理由わかるか?」

「う〜ん? ごめんなさい! 私には答えられないの!」


 しかし、清花さやかは視線を泳がせ・・・脱兎の如く、部屋を飛び出した。

 俺は余りの出来事に困惑した。


「なんだあれ?」


 ただ、オトンの気迫が凄すぎて、俺は渋々だが書類に名前を書いた。

 書き終わった途端、オトンは満足気に頷き、オカンも自身のデカい尻で隠すように書類を拾い上げ、夫婦で何処ぞに持っていった。


「なんだったんだあれ?」



  §



 それは一矢かずや君と別れた翌日の事。


「行っちゃったなぁ。このあとどうしよう・・・寂しいよぉ」


 私は大学受験に失敗した後、地元の専門学校へと通う事になった。

 それは浪人生となって余計な負担を親に与えないためと自活のために選んだ選択肢だった。

 ただ、ずっと一緒に居ると思っていた一矢かずや君が実家から離れ、私の元から去った事は忘れることが出来ず・・・


「か、一矢かずや君・・・も、もっと、お、おっぱい揉んで〜」


 自家発電ならぬ、妄想の中に生きる一矢かずや君を相手になぐさめる事しか出来なかった。

 虚しいといえば虚しいに尽きる行為だった。

 元々、自身の薄い胸や股を触る事なんてしてなかったのだ。

 それがいつの頃からか・・・友達に勧められるがまま初めてしまい、ハマってしまったのだ。

 人知れずエロくなる私。こんな姿を彼に見られたくないと思う反面、見て欲しいと思う私も居て、途端に恥ずかしくなった。

 そして、一通り楽しんだ後は濡れた下着を脱ぎ捨て素っ裸のままベッドへと横になる。

 ただ、一通り致した後はいつも同じ言葉を呟いてしまう。


「妄想よりもホンモノがいいよぉ」


 私のように大人しめの子はエロいとよく言うが本当だと思う。

 かく言う私は自身でもエッチだと思うのだから。

 むしろ、友達のようにギャルっぽい子の方が身持ちが堅く、言葉とは裏腹に自家発電をやってなかったりするのだから、世の男性は世知辛いと思うしかないだろう。

 ともあれ、素っ裸のまま天井を見上げて無心になる私は、そのまま布団で眠ってしまった。

 しばらくすると、一階が騒がしくなる。


「ん? 寝てた? 母さんの声? え? 今、海外勤務って聞こえた?」


 それは父さんの栄転とかで、海外勤務するから家を空けるという話だった。

 私は下着を身につけ、寝間着に着替え一階に降りる。

 すると、リビングには一矢かずや君のお母さんが居た。


「これから数年間、うちで預かりますね?」

三矢子みやこ、助かるわぁ〜。あの子ってば家事は出来てもやる気が無いと何もやらないから〜」

「家事が出来るだけいいじゃない。それと例の件、そのままいいわよね?」

「もちろんよ! 花嫁修行も兼ねてこき使ってあげて。あの人も一矢かずや君がお気に入りだから〜」


 私は扉の隙間から会話を聞き、どういう事なのか不審に思う。

 しかし、母さん達の会話はとんとん拍子に進み、それから一週間後・・・

 私は簡単な荷物片手に一矢かずや君の家に居候する事となった。

 一応、実家の鍵は預かっており、定期的に掃除する事が義務付けられたが。



  §



 そして一矢かずや君が帰ってくる日の午前、私はある事を願われた。


「この書類に名前を書いてね?」


 それは婚姻届と書かれた物だった。

 私はキョトンとしたまま問い返す。


「あの? 私と誰が結婚するんです?」

「何言ってるの? 清花さやかちゃんと一矢かずやに決まってるでしょ?」

「ふぇ? 私と? 一矢かずや君が? でも私達、付き合ってないんですよ?」

「付き合うとか付き合わないとか関係ないわよ〜。二人は元々許婚だもの〜。幸い両者とも成人してるしね? 一矢かずやってばテレビ電話越しに彼女が出来ない! って、チェリー酒飲みながら嘆いてたわ〜。チェリーボーイだけに」

「は? (はいぃぃぃぃぃ!?)」


 しかし、それは寝耳に水とでも言うのだろうか?

 私が知りもしない話が展開され、嬉しい反面・・・告白を断った時の事が脳裏によぎる。


(不味くない? 不味いよね? 一矢かずや君って私が何条なんじょう先輩と結婚してると思ってる筈だし、あの時の事を知ったら嫌われるよね? そんな中、結婚するって知ったらどうなるんだろう? 仮面夫婦なの? 夜戦無しは流石に私も嫌だよ?)


 そして、困惑したまま私は告げる。

 過去にやらかした事を。

 すると、お義母さんはキョトンとするも・・・


「なんだそんな事? 一華いちかが教えてくれたわよ? バカな娘だって・・・健気よねぇ〜。好きな人の足枷回避で嘘の結婚をでっち上げるんだから」


 何故か知っていた。

 私は余りの出来事に思考出来ないでいた。


「えっ・・・何で知って?」

「ん? 一華いちかが部屋の前で聞いたそうよ? 清花さやかちゃんが気持ち良くなってる最中さなかに言ってたって」


 しかし、現実は儚くも無情だった。

 親に自家発電を知られるというのは、恥ずかしいという言葉に尽きる話だった。


「!? き、聞かれてた(母親に知られるってすっごい気まずい)」

「ま、一華いちかも聞かれた事があるらしいから、親の子って事ね?」

「そ、そうなんですね・・・あはははは(母さんの自家発電とか想像したくないぃぃぃい!)」


 いや、母親の自家発電とか誰得なのだろう?

 私もエロいが母さんもエロいらしい。

 美魔女と呼べる程の清楚系の見た目なのにね?

 清楚=ドエロ。今回に限って言えば遺伝だったらしい。

 結果、私は婚姻届にサインした。

 他に提出する書類なんかも、いつの間にか母さんが帰国して用意していたらしく、手早いと思った私だった。


(これ・・・一矢かずや君はどういう風に書くことになるんだろう?)


 すると、お義父さんが急に現れ、お義母さんと驚くような会話を始めた。


「今日はめでたい日になりそうだな?」

「そうね? 清花さやかちゃんは今日が危険日だし、孫が直ぐに生まれるとは限らないけど、清花さやかちゃんってば感じ易いし、男の子になる可能性はあるでしょうね?」

「女の子もすてがたいぞ? 特に一矢かずやはベタ惚れになるだろうしな?」

「でしょうね? だって清花さやかちゃんに似る筈だもの〜」


 それを聞いた私は・・・何で私の危険日の事を知ってるのか謎に思えた。

 そしてそれと共に孫が直ぐに見たいとする祖父母になった義父と義母の期待には応えねばと思ってしまう私だった。



  §



 そして時は戻る。

 一矢かずや君は渋々だがサインした。

 お義母さんは満面の笑みで私に婚姻届を手渡し「今夜は肉だ!」と言ってお義父さんとデパートに出掛けていった。

 私は手渡された封筒を持ちながらリビングで佇む一矢かずや君を眺める。


(これって私から言わないとダメって事だよね? 窓口が閉まる前に・・・ええい女は度胸!)


 そして、意を決し・・・リビングへと移動し、一矢かずや君を相手に謝罪した。


一矢かずや君、ごめんなさい!」


 一矢かずや君は謝った瞬間、キョトンとなる。


「は? 何で謝るんだよ?」


 私は言葉に詰まりながらも、勢いのまま言い切った。


「そ、その、あのね? 終わったと思ってたところ悪いんだけど・・・卒業式の後の事、実は嘘でした! ごめんなさい!」

「はぁ!?」


 うん。やっぱり驚くよね?

 一矢かずや君は目を見開いて口をパクパクさせていた。

 怒りにも似た何かが渦巻いているのは確かだし、何でって思ってる風にも見えるもの。

 だから想いの丈をぶつけるように私は言い切る。


「ほ、本当は大好きで愛おしくて、告白されて凄い凄ーい嬉しかったの。許されるならあの場で・・・屋上で下着を脱いで、初めてを貰って欲しかった! でも・・・遠距離恋愛って続かないって言うじゃない? それがあったから」


 一矢かずや君は私の言葉尻を繋いだまま困惑を浮かべた。


「結婚したって事にして断ったと?」


 私も自分勝手だなぁと改めて思う。

 だから懺悔じゃないけど、一矢かずや君の足下で土下座になりつつ謝った。


「うん。そうなの・・・傷つけたって後悔もあるし、申し訳ないって気持ちもあるの。だからごめんなさい!」


 一矢かずや君は土下座に引きつつも、混乱したまま問い掛ける。


「じゃ、じゃあ、本当は誰と結婚したんだ?」


 私は結婚したと聞き、嘘を本当だと思っている一矢かずや君に問い返す。

 結婚が嘘だと言ったのに、他の誰かと結婚したと混乱しているようだ。


「ん? 私は一矢かずや君と結婚したよ?」

「俺と? どういう事だ?」

「さっき書いたの婚姻届。許婚らしいよ? 私達」

「は?」



  §



 俺は耳を疑った。


「は?」


 確か、当時の清花さやか何条なんじょう先輩と結婚したと言っていた。

 俺に指輪を見せつけ「幼馴染だからって恋愛感情が湧くと思ったら大間違い」と言って。

 だが現実はそれは嘘で本音では「幼馴染だから恋愛感情が湧きすぎて困ってる」という事なのだろうか?

 しかし、俺は今・・・清花さやかに誰と結婚したと聞いたのだ。

 俺は清花さやかが既婚者だと思い込んで・・・思い込み?


(思い込みで変な問い掛けを? 混乱しすぎだろう俺・・・清花さやかは結婚こそが嘘だと言ったんだ。だから、俺と結婚したとか・・・ん? 今、婚姻届だか、許婚とか言ったか? どういう事だ?)


 だから俺は改めて清花さやかに問い掛ける。


「な、なぁ? 今の話・・・マジ?」


 清花さやかは足下に座ったままキョトンとなるも、素直に頷き首を傾げる。


「うん。本当の事だよ?」


 だが、俺としては交際なき結婚が可能なのか謎だった。

 だからどもりながらも、清花さやかに問い掛ける。


「そ、そうか・・・というか、付き合ってないのに結婚とか可能なのか?」


 すると清花さやかは同じような疑問に出くわしていたのか・・・悩みながらも口に出す。


「う〜ん? 恋愛自体はしてないけど・・・十五年の月日がお付き合いそのものなんじゃない? 好き合っていた事は確かだし、お互いに気持ちを確かめ合っていないだけだったから。それも四年前の告白で私は知ったし、一矢かずや君は今、私の気持ちを知った。それでいいって事なのかも。それと・・・私の初めても貰ってくれると嬉しいなって?」


 最後には爆弾発言まで飛び出すのだから、あの清楚系美少女が変わり過ぎたとして、俺は呆気にとられた。


「そ、そうか・・・まぁ、俺も初めてだから受け取ってくれると有り難い」

「うん! 今晩は楽しもうね? チュ」


 いやはやどうして?

 清花さやかは俺の返事を聞くや否や、立ち上がり俺の胸に飛び込んだ。

 それは大きく育った胸を俺に感じさせるようにギュッと押しつけ、トロンとした表情で濃厚なキスをしてきた。


(お、お、終わったと思ったら、結婚がやってきた?)


 こうして、俺の初恋は恋をすっ飛ばし、私の初恋は恋を飛び越えて、人生の墓場たる結婚へと結びついたのだった。



  §



 その後のリビングでは濃厚なキスの後に俺は立ち尽くす。

 清花さやかはトロンとしたまま俺の事を見つめていたが。


「人生何があるか判らんなぁ」

「それは良いから、窓口が開いてる間に婚姻届出して、私のお腹にも愛情一杯出してね? 今日は肉らしいから精力一杯つけてトコトン愛してね? 四年間の空白分・・・胸も自分で揉みまくって成長させたんだから!」

「お、おぅ・・・孫の要望とか出たのか?」

「うん! 男の子を要望されたよ? 今日は危険日だから精一杯愛してね?」

「そ、そうか・・・頑張らないとな。めでたい日か・・・お互いに?」

「だね! おめでとう私達!」

「そうだな、めでたいな!」


 こうして、その日の内に役所に届け出し、俺達は無事結婚した。

 夜は夜で清花さやかの絶倫に巻き込まれたのは別の話である。

 俺の嫁・・・流石にエロすぎでしょう?






  §



 《あとがき》


 突然思いついた、正統派美少女作品。

 結果、若干残念が入っちゃいました。

 やっぱり残念美少女の作風は抜けないらしい。

 更に残念な事にデータが一度飛んで、泣く泣く書けないからとアカウント削除したら、バックアップが残ってて、復旧後の再投稿という。踏んだり蹴ったりだね! (´;ω;`)




 




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