第129話
私を足を動かして図書室へと向かう。
相も変わらず廊下には私一人しか歩いているものはいなくて私の歩く足音のみが廊下にこだましていく。
先生たちは…まぁそれぞれの対応とかでここを留守にでもしているのだろう。
それとも一日中作業や対応をしていたから寝ているのかな?
まぁ私にはどうでもいいことだが。
「えぇっと確かここら辺だったはず…」
私は覚えたての知識を何とか思い出しながら図書室へと辿り着いた。
入学というか編入?
まぁそんなのどうだっていい気がするがこの短期間でよくこんな事が起きたなと感心するよ…私って案外トラブルメーカーなのかなぁ?
こうして落ち着いて考えてみるといく先々で何かしら起きている気がする。
気がするってだけで確信があるわけじゃないが…。
「にしても…前も来た時に思ったがこの図書室デカいな」
図書室に入るとそこは前の世界で言うところの東京ドーム1個分みたいな感じの広さが目の前に広がっていた。
ここを初めて見た時この学園の大きさに合っていないだとか思ったがそれはまぁここ…異世界だから空間魔法とか時空魔法とかでチョチョイとやって空間を広げたものなのだろうと解釈した。
この学園もそこそこ歴史が深い建物らしいし過去の偉人が何らかの方法であーだこーだでもして広げたんだろう。
そういえば東京ドーム1個分ってどのぐらいの大きさなんだろうな…良くテレビとかで例として上がっていたんだがそれだったら普通にメートルで記載した方がわかりやすいと今更になって思うんだが。
え、大人になってそんな事言っていてどうするんだって?
それを知っているのが常識だって?
そんなん知らんよ知らないものは知らないそれに私は今は子供だしわからないのが普通なんだよなぁ。
話がそれてしまったな…さてとここからどうしようかな?
この本の山から目当ての本をピンポイントで探すのは困難を極めるだろうし…。
こういう時ラノベだったら都合よく司書やら図書室の妖精だかが出てくるシーンなんだろうけど…まぁ現実そう簡単には行かずいないしなぁ。
「仕方がない…自力でそれっぽいタイトルの本を見つけてくるか」
まぁ仕方がないよね…どう足掻こうともここには私1人しかいないわけだし。
魔法関係の本がある場所はこの本棚か。
見るだけでやる気が削がれていくねコレは…何で天井まで本棚を伸ばしてあるんだよこの図書室。
そのせいで空でも飛ばなきゃ取りに行けないじゃないか。
「こんなんどうやって取れって言うんだよ…」
大人しく自分で取れる範囲にある本を取って読むことにしよう。
…ここに地震とかあった際にはヤバいことになりそうだな。
何というかさ…こう本が天井から重力に従って大量に落ちてきて…おぉ怖い怖い。
とりあえず私は魔法関係の本がある棚から風魔法が載っていそうな本とそれと同じく雷魔法と闇魔法が載っていそうな本3冊を取り出し図書室の読書スペースへと移動した。
タイトルは『僕は人より鳥になりたい~風の旅人~』と『髪が跳ねる人必見!小さな雷から大きな雷に変える魔法応用!』と『深淵より観測する者の手記』という何とも香ばしい匂いがたちのぼる本達だ。
まぁタイトルは置いといてだ…重要なのは中身なのだよワトソン君。
「それでは…いざ拝見ッ!」
…少女読書中…
時間にして約4時間が経過したところだろうか?
正確な時間なんてここには時計がないからわからないがまぁ大体そのぐらい体感的に経過したと思う。
そんなこんなで本を読み終わったわけなんだが…1つ言うとしたらそうだなぁ。
めっちゃ分かりやすかったとでも評価しておこうか。
魔法っていうのは才能と詠唱そして魔力があれば出来るわけだ。
それで私が初級の魔法しか使えなかったのは何故か?
答えは単純で詠唱を知らなかったからだ。
では何故皆が初級とは違う魔法を撃っていたのか?
答えは単純明快で知識を蓄えていたから本を読んで上級または中級の魔法の詠唱を覚えていたからだ。
そしてこうして本を読んでわかった。
この世界の魔法を記した本って…ラノベに似ている…だと?
魔法は才能と魔力そして詠唱が重要。
ではその詠唱を覚えるにはどうすればいいか…まぁ過去の人が綴った英雄が放った詠唱をいえば才能があれば放つ事ができるという事だ。
そうなってしまえばあとは単純で自らの英雄譚を書き残して未来に輝かしい栄光と魔法の詠唱を残す本が出来上がるわけで。
まぁコレらの本に載っていたことも過去の人が自ら経験したことやら女神から魔法の詠唱文を授かったやら神殿から詠唱文を盗んだとかドラゴン退治をした~その時こんな詠唱でそんな魔法を放った~とかがいっぱい詰まった本となっていた。
おそらくコレを口に出して読めば魔法は発動するだろう。
やはり知識…知識は何でも解決する…いや魔法を詠唱する前にぶっ殺せば何も被害は負わないわけだからやはり筋肉が最強なのでは?
「まぁ~とりあえずはコレで魔法を覚えたわけだし…他の本でも読みますかぁ」
そう私は呟き本を元の本棚へと戻し新たな本を探しては読みそして戻しまた探して読むという行為を淡々と続けるのだった。
勿論詠唱の文はメモ用紙に書いている。
まぁそうしないとこんな長ったらしい文なんて覚えてらんないしね。
そうして時間は過ぎていく時間を過ぎきったその先にあるのは寮の管理人からのお叱りだとこの時は知らずに。
罰として寮全体の掃除を自分一人で1週間やれと言われました。
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