第8話
朝の日差しがまぶたを照らしつけ今日も一日がはじまろうとしている。
犬の声や猫の声耳をすませば人のひそひそ声すら聞こえてくる。
今日の予定はゴミ置き場に行き宝探しをする予定だ。
スキルにあった『気配遮断』を使えば誰にも気づかれずに行動できるのではないかと考えた結果今日の予定はゴミ置き場に行くことを決めた。
決めたはいいんだが…どう動こうか…。
今の俺の体は指を動かすだけでも悲鳴を上げる。
つまりは筋肉痛というわけだ。
まぁそりゃそうだろう熊から必死こいて逃げてその後に調子に乗ってスライムをタコ殴り(効果なし)をした後に初めて魔力というのを使って木を殴って…あれ?俺って殴ってしかいなくね?
…しょうがないよね武器ないしあっても使えないんだから。
まぁそういうことで正直なところ動きたくないわけですが動かなければ何も始まらないので行動しましょうかね。
まずするべき事はストレッチで体をほぐすことかな?
体は痛いが慣らさなければいけない。
「1…2…3…4…5っとこれぐらいでいいかな?」
ストレッチが終わった後は腹を満たすために昨日取ってきた草団子でも食べますかね。
「モッシャモッシャ相変わらずの不味さ。口の中で草独特の臭みと味ががが…」
ハート形の草だから普通の草とは違いそこまでではないが草はどう足掻いても草なので味が不味い。
俺あまりミントって得意ではないしね。
そんなこんなで準備はできたしゴミ置き場に行きますかね。
息を殺して『気配遮断』で気配を出さずに移動するってなんかロマンがあるよね!
…幼児移動中…
というわけでつきましたゴミ置き場ですね。
人は2~3人いる程度か。
人数も少ないし今日はゴミが多いからもしかしたら良い物が得られるかもな。
ここでは早い者勝ちであり弱肉強食だ。
早めに物を取ってずらかりましょうかね。
「では、探索開始!」
そうして俺はゴミ置き場のゴミを漁った。
見つかるのは木の板や壊れたコップなど様々だ。
「にしてもいろいろなものが捨てられているものだ」
ついそう口に出してしまう。
まだ食えそうな生ゴミ(食べたくはないが)、欠けた短剣、ボロボロになった本。
本当に様々なものが積み重なって一つの山になっている。
その中から何個か使えそうな物を家に持っていきたいものだが使えそうなものがあまりない。
探す事数分後、ようやく使えそうな物を何個か見つけた。
1つ目が異世界語の翻訳板だ。
いわゆるアイウエオ表だ。
俺は何故か異世界語を言うことができるが書く事はおろか読むこともでないからこれを覚えることでようやく文字を読むことが可能と言うわけだ。
2つ目は古ぼけて埃をかぶっているが少し豪華な錠前のついた大きな箱だ。
なんとなくだが直感的に良さそうな物だと判断した。
問題はどうやって持っていくかだが昨日覚えた『身体強化』を使えば少しずつだが運ぶ事はできるだろうと考えた。
錠前は壊せば開けれるだろう。
最後になるが3つ目だ。
3つ目はローブつまりは服だ。
このローブの状態はかなり良い物でデザインも単調で少しでかい。
そろそろ冬になって雪が降ってくる時期になるはずだから薄着じゃ凍死するからなこういう布の多い物は多めに持っていきたいものだ。
冬になるという事は草が育たなくなるということだ。
つまり草が食えなくなるということであり俺は草を主食としている。
つまりだ。
早めに強くなって食事の幅を広げなければならないということだ。
総合的にいって冬は「やだ」というわけだ。
「まぁ今はそんな事はどうでも良い。これを誰にも見つからず運ぶとするか」
さてと本気を出して運びますかね。
『身体強化』起動!
ただし発動までに2分はかかる。
ではでは家までの帰宅RTAでもしますかね。
おそらく『身体強化』は使える制限時間がある。
昨日体がだるくてぶっ倒れながら眠ったのもそのせいだろう。
大きな箱はちゃんと持つことができるから運び出す事はできるな。
では帰るとしますかね。
…幼児帰宅中…
…まさか家を目の前にして『身体強化』が切れるとは思っていなかったぜ。
かなり短い時間しか使えないな。
だがここまで来れば大丈夫だ。
まずは家の中で眠った後に今日の戦利品?を確認しようか。
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