第33話 素材集め

ゴブニンとゴブサンが帰って来た。


報告によると、ゴブニンが狼を発見し、なんとそのまま無双して、狼の集団を壊滅する。サポートとして、ゴブニンに注意が向いた狼を、ゴブサンが一匹仕留め戻って来た様だ。抜け目無く立ち回るゴブサンの強かさに舌を巻き、ゴブニンの殺傷力に驚愕する。


ゴブイチが指示し、ゴブサンと四匹のゴブリンを回収に向かわせる。何と九匹の狼を運んで来た。中々の成果を上げた。


武器の威力は絶大だった。主にゴブニンだけだが、もう狼程度ならものともしない事が証明された。


上位種の大狼にも充分な対応が出来そうだ。ゴブイチに目を向けると大丈夫だと頷く、よし!出撃だ。


大狼の窪地エリアに向かうと、やはり大狼が待ち構えていた。


俺達はゆっくりとした足取りで、大狼に向かう。


大狼の遠吠えが森に木魂こだました。狼達が其処彼処そこかしこから湧き出て来る。


大狼も魔法陣から二匹の狼を呼び出した。


集まって来る40を越す狼の群れを無視して俺は歩みを止めない。


召喚された狼が俺に向かい駆けて来る。


梅雨払いのゴブシロウが大剣をフルスイングし、召喚された狼を吹っ飛ばすと、ゴブゴロウはもう一匹の口を貫いてわきける。


とうとう俺が大狼の手前まで来ると、狼の軍勢が俺達を包囲して物量で押し潰そうと襲いかかった。


ゴブニンが右手の狼の中を駆け抜けながら狼の首、心臓、眉間を両手の黒剣で的確に貫いて無双していく。


ゴブサンは左手の狼達をひらひらと躱しながら狼の注意を分散し包囲陣形を崩していく、隙を晒した狼は前足や後ろ足を傷付けられて戦闘不能になっていく。


俺は立ち止まり、大狼と対峙する。


殿しんがりはゴブイチ、一歩も退かず、襲い来る狼を斬り伏せ、近寄らせない。


そのゴブイチと俺の周りには、四匹のゴブリン達が必死の形相で槍を突き出して牽制している。


瞬く間に数を減らす狼達。大狼は大将の俺に向かい唸り声を上げて襲い来るが、ゴブシロウの大剣が首を切り裂き、ゴブゴロウの槍が心臓を突き刺した。


後はゴブリン達四匹が、甲斐甲斐しく残りの傷付いた狼達を始末していく。


暫くすると、前方に魔法陣が三つ現れ、大狼の援軍が登場する。


三匹の大狼が二匹づつ狼を召喚して六匹の狼が俺に向かい迫って来るが、ゴブニンとゴブサンが難なく仕留める。


大狼三匹は、俺とゴブシロウとゴブゴロウに分かれて攻撃を開始する。


ゴブシロウに向かった大狼は、飛び上がってゴブシロウに襲いかかる。


ゴブシロウは正面から大狼の頭をカチ割った。


ゴブゴロウに向かった大狼は、慎重に距離を取ってゴブゴロウの周りを周り出すが、一瞬で踏み込んだゴブゴロウの槍の餌食になった。


俺に向かった大狼は、いつの間にか現れたゴブイチによって、めちゃくちゃに切り刻まれる。


何もしなかった俺は、黙って全ての狼と大狼の死骸を回収する。もちろん別に魔石を取り出し回収もした。

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