第10話 オリエン表彰式で表彰されます
「では皆さん。本日のオリエンテーション。お疲れさまでした。
新入生の皆さんも、クラスが変わった在校生の皆さんも、少しは新しいメンバーに慣れてくれたことと思います。そして、今回はなんと2年ぶりに1年生の班が優勝しました。メンバーは貴族平民合わさった混成チームで、この学園のしいては未来のブライトン王国の進む道を体現したと言っても過言ではないでしょう。これから1年間、皆さんが努力すれば必ず、その成果は現れると思うのです。皆さんの一年間の学びを期待します」
学園長が挨拶した。なんか平民と貴族の融合なんてこじつけのような気もしたが、私はドラゴンの角が貰えれば良いので文句を言うことはない。
「では成績発表といきます。第三位第三学年魔導騎士科1班、第二位第三学年政治学科1班、第一位は第一学年Aクラス2班です」
皆それぞれ歓声を上げるが、私達の班の時は1年生から盛大な拍手と歓声が上がった。
私はチームの端に立ったのだが、何故か横に第一王子がいて少し気まずかった。
ちらっと見た私に王子は胡散臭い笑みを浮かべてくれた。これはポーションをさっさと作れとし言う圧力だと思った。
それぞれメダルが渡される。
「では優勝の第一学年Aクラス2班の代表にお話しいただきましょう」
司会の騎士科のグリフィン先生がマイクを差し出してきた。
さんざん嫌がったハンナがマイクを握る。
「皆さん。こんにちは。A組2班のハンナ・ドラモンドです。このような高いところから失礼します。まさかこんなことになるなんて思ってもなくて、ちょっとパニクっているんですけど、私は刺繍しか頑張れなくて、残りは班の皆、特にオーレリアさんのおかげです。
私、親からはどんな事があってもSクラスに入って王子殿下と親しくなれって言われていたんです。貴族の他の人もおんなじだと思うんですけど、でも、Aクラスで親にはがっかりされて・・・・あああ、すいません。今のなかったコトにしてください」
ハンナが真っ青になった。
皆の前であがって思わずどうしようもないことを口走ってしまったのだ。ハンナも私と同じで天然だ。後でそう言ったら皆にリアと一緒じゃ可愛そうだと言われた。何故に!
「まあ、ハンナさん。気にしなくて大丈夫だから。君たち貴族出身者がそう言われているのは理解しているよ。まあ、だからってこちらは付き合わないけれど」
第一王子がマイクを取って横から口を出した。
「えっ、あっ、フォロー頂いてすいません」
ペコリとハンナは頭わ下げる。
「でも、今日はSクラスでなくて、Aクラスで良かったと思いました。だってオーレリアさん凄くて、私にとって王族の方ってはるか雲の上の方で、見ただけで緊張して話せなかったのに、打倒王子なんて鉢巻きするし、一瞬で第二王子殿下を弾き飛ばすし、私ならそんな恐れ多いこと絶対に出来ませんでした。
平民の方って私達と考え方が違うんだってカルチャーショックを受けました」
「ちょっとハンナ。それ違う。それじゃまるで私不敬の権化じゃない」
私は慌てて言い訳しようとしたが、
「まあまあ、オーレリア嬢が私達をどう思っているかははちまきが物語っていると思うけど。」
「えっそんな」
私は第1王子に言われて呆然とした。
「で、」
殿下がハンナを促す。
「はいっ。今日は第一王子殿下ともお話できてとても嬉しかったです。最後は私達に一位を譲って頂いてありがとうございました」
ハンナはそう言うと頭を下げた。
「えっ、殿下は譲られたのですか」
司会の教師が聞く。
「いやあ、だってこちらは3年生のいかつい男5人に対して向こうは1年生のか弱い女の子5人だからね。
それにゴーレム倒す時にオーレリア嬢に障壁で守ってもらったし、1体はオーレリア嬢自身が障壁で倒してくれたから。さすが一芸入試で、障壁を展開するだけはあるよ」
「えっ」
王子の言葉に私はその言葉にまた固まった。更に入試のことが言われるなんて、もう私の渾名は破壊女で決定だ。ついでに不敬女も加わるかも。まあ、お貴族様と結婚するつもりはないから良いか・・・・良くはない!
「まあ、しかし、秋のクラス対抗戦では君らにはリベンジさせてもらうからね」
王子はそう宣言すると私にマイクを差し出した。でも私はマイクをもらっても・・・・
これ以上お貴族様の反感を買うのは嫌だ。
「なんかリアは頭がパンクしたみたいなので、私が代わりにお話します。王子殿下のお言葉ですが、秋も私達Aクラスは私達なりに頑張らせてもらいます。良いよね皆」
ベッキーが代わっていってくれた。
「おう!」
と言うAクラスの男子連中の叫び声と一年生の拍手で表彰式は幕を閉じだ。
でも、明日からの私の扱いはどうなるの・・・・・・・
私は不安しか残らなかった。
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ここまで読んで頂いてありがとうございます。次話幼馴染のカート登場です。
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