(三)-4

「マジか? ちょっと待てよ。相手は誰だよ」

 大声で言いながら、宗ちゃんは私の体を揺さぶった。

 私は何も答えることができなかった。

「うそだろ。俺の他にもつきあってたヤツがいるのかよ」

 宗ちゃんは私の両肩からでを離して立ち上がった。

 部屋をウロウロ左右に行ったり来たりした。

 私は答えられないでいた。

「どうなんだよ!」

 彼は大声で怒鳴った。

 その大きな声に、私の体はびくってなった。びっくりした。普段そんなに怒ったことないのに。

 すると、彼は部屋を出て行ってしまった。

 私は彼の部屋に一人残されてしまった。


(続く)

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