(二)-2

 そしてじっと待つ。じっと待つ。じっと待つ。すると、私に唇の上に宗ちゃんの息がかかった。きっと彼の鼻がもう目の前にあるのだろう。

「じゃあ、いくよ」

 彼がそう小さく言うと、次の瞬間、唇に柔らかい何かが触れた。彼の唇だ! でもその唇はそのまま私の顔を押しつけるように押された。宗ちゃんの唇に押されて、私の体はベッドに倒されてしまった。

 目を開けると、唇はすでに離れていたけど、宗ちゃんの顔がすぐ目の前にあった。彼の目は、私の目をじっと見つめていた。


(続く)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る