(二)

 宗ちゃんの部屋に来て、彼のベッドに座り、隣に彼が座っていた。彼の方に顔を向けて、目をつぶった。

 宗ちゃんの顔が近づいてきた。彼は目をつぶっていた。私も目をつぶった。

 初めてのキス。宗ちゃんがどうしてもしたい、というので、この日挑戦することにしたのだった。

 目をつぶると、心臓がばくばく鳴っていることに気づいた。普段部活をするときよりも心臓の音がうるさく鳴っている。

 どういうキスになるんだろう。ドラマとかでは唇と唇がそっと一瞬だけ触れるだけでなく、長々とキスしたりもする。雑誌とかでは舌を入れるなんて話もある。まさか最初のキスでそこまではしないよね……。でも、いきなり舌入れられたりしたらどうしよう……。恥ずかしすぎて死んじゃうかも!


(続く)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る