このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(62文字)
虚言癖の少女、チユは心と現実が嚙み合わないことに辟易していた。いっそ、この舌がなくなってくれれば。そう願った時、チベット風の衣装を身に纏った少年と出会う。彼はチユの願いをすべて叶えられるというが……。少女、チユが語る言葉と、それを信じない姉。チユのために行動する奈亚拉托提普(Nyarlathotep)。三者の思惑が交錯し、ついに平行線を辿る様が美しく愛おしい。アジアを舞台に、清涼とも思える時を刻む幻想怪奇ホラー。