たんぽぽホラー劇場 〜ショートショート〜

第11夜 ホンモノの右翼を浅草で見た

　一昨日。横浜へ二泊三日の旅行から帰って来たが、浅草の浅草寺辺りにて、ちょっと怖い経験をしてきた。

　それは浅草寺への参拝を終えて、他の観光名所へ巡ろうと浅草観光案内所みたいな場所にて目撃したのは、ホンモノの右翼であった。

　そのへんを軍歌とか流して走り回っているあんな奴等じゃない。ホンモノでガチの右翼だ。

　最初は私もよくわからなかった。ただ、しわ一つない濃紺や漆黒のスーツに、まるで筋者が巻くような柄のネクタイに、顔は観光地であるから笑顔だが、間で愛想を振りまく観光案内の兄ちゃん達とは明らかに殺気がある笑顔だったので、私は思った。　

（ヤバい。ガチの右翼だ。妙な奴に道を聞く所だったよ。ヤバい、ヤバい……）

　東京の都心にはめぐりんという循環バスが走っているがそのバスを待つ20分間は生きた心地はしなかった。

　街頭演説をしている人は何者だかわからないが、恐らく右翼がいるからそういう考えの人だろう。ウクライナ戦争の事を演説して、今の政治を批判していた。憲法9条がどうのこうのという話をしていたと記憶にはある。

　その間、暇なので、気配を殺しつつその人たちの観察をした。

　まるでシークレットサービスよろしく、何人もの右翼がまるで街頭演説をする人を護るようにたっており、こう立ち方もまるで軍隊の兵士の如くビシッと背筋伸ばして仁王立ち。

　そういうのに混じって愛想笑いしている観光案内の兄ちゃん達は居心地悪そうに引きつった笑顔だった。

　トラックにはあんまり記憶に置くとヤバいので覚えなかったが、看板(？)に【神】の文字があったので一目でヤバい思想だと思った。

　あの人達こそロシア軍に入ったら、躊躇なく人を殺せるのではと思った。

　You Tubeに出た「戦いたくないから投降したロシア人の兵士」とはえらい覚悟の違いである。まあそいつらは兵士のコスプレをした一般人だからね。

　それにしても、ガチの右翼の格好はマジで半端なく結構、いい感じだった。

　思想は共感するにはちと遠慮するが、あの勝負服のディテールは正直、今の世の中の人にも見習って欲しいものである。

　やっている人はもうしていると思うが……。

　今回の旅行の総括は感想は一言。

　怖かったです……。