第2夜 誰も居ない下からの震動

 私の住む居室の真下の部屋には以前、人が住んでました。その方は色々、ここで悶着があったのでどうやら退居した様子。

 という事は、真下には誰も居ない筈なのです。そう誰もいないはず。

 しかし。

 たまに震度1みたいな揺れを感じます。

 真下か、その斜め下辺りから。

 誰もいませんよね……?

 じゃあ何で震動を感じるのですかね?

 ごくたまに私が音楽にノッて揺れるのはわかります。はい。それは自分自身の揺れだから。

 じゃあ部屋が揺れるのは何故かな~?

 地震が起きたから?

 真っ先に疑いましたけど、地震は起きてません。

 この間、そうですね……数日前もこんな謎の震動が起きました。

 不思議ですねえ……。

 

 その答えは簡単そうで難しい。

 私の真下の部屋の隣に住む男の人が真夜中に踊りまくっている!? という不可解な話。

 え? 何で真夜中に踊るの?

 何で? 何で?

 どうも噛み砕いて説明すると、踊りまくっている当の本人には自覚症状がないというのです。

 つまりは自分自身はそんなジャングルダンス(笑)はしてない、という訳ですな。

 ジャングルダンスってなんだ?

 これは私が勝手に呼称している部屋が揺れる現象をブラックジョークな皮肉です。

 このジャングルダンスはこのホームではだいぶ、2階の方は苦しめられていた様子。

 何せ、真下の男性も騒音問題として度々、話題として持ち込んでました。

 私も度々、階下から震動を感じます。

 その時は、「ああ、また踊っているのね」と流しますが寝ている側でやられたらたまったもんじゃない。

 そりゃあ不眠症にもなりますわ。

 しかし、御本人には自覚はない。

 困ったものですね。

 どうも解離性何とか〜みたいな言葉が聞こえたので、それで本人には自覚症状がない訳ですな。私も詳しく知ろうとは思いませんし、突っ込むのもこれでお終いにしましょう。

 つーか。真夜中にジャングルダンスって、何を考えているのですかね。


 以上、たんぽぽホラー劇場から翔田美琴がお送りしました。

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る