たかが詩じゃないか

詩音 悠

『赤い柘榴』

偽りの恋 持て余し 

気怠く時を 漂って

溜息をついて 目を閉じて 

あゝ 女はくちびる 

噛みしめる 噛みしめる

赤い柘榴が 転がり落ちた

愛に挫けた 女みたい

淫らな夢から 醒めた後には

体の奥が 体の奥が 

疼きます



したたかに頬 叩かれて

不埒な笑みで 居直って

あどけない顔で 嘘をつき 

あゝ 男は瞳を

逸らします 逸らします

赤い柘榴が 転がり落ちた

馬鹿で愚かな 男みたい

浮かれた夢から 醒めた後には

孤独の影が 孤独の影が 

そばにいる



あてにならない 約束を

いつまで待てば いいのやら

何もかも忘れ 酔い潰れ

あゝ 女は男を

突き放す 突き放す

赤い柘榴が 転がり落ちた

愛にもつれた 二人みたい

気まずい夢から 醒めた後には

すべてを捨てて すべてを捨てて 

歩き出す

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