所属

第20話 <ディバース>

 報酬を受け取った翌々日から1週間(1週5日)<英雄の集い>の4人と毎日クエストを受けていた。そのかいあってか今の手持ちは7ルーを超えた。私は装備変更はしていないが他の4人は新しい術石を購入したり防具を更新したりと大幅に戦力アップをしていた。特にクォンが罠魔法を複数購入し攻撃にも参加し始めたことが大きく、カメリアボアの討伐も前回とは見違えるように消耗しなくなった。


 私は現在<ディバース>のチームハウスにいる。先日エマンシトリーとテミングと組合で会った際に所属させてもらう旨を伝えるとこの日だとメンバー全員が集まるとの事だったのだ。


「それじゃあ自己紹介よろしく!」


 全員がリビングに集合するとレニがそう言う


「分かった。え~、お久しぶりです、初めましての方もいらっしゃいますが。あらためまして一太郎です。レニからはロゥと呼ばれていますのでそれでお願いします。ポジション的には遠距離アタッカーになります、よろしくお願いします。」


「よろしく~!じゃあうちからね。うちはレニ!武器は刀でロールはタンクだよ!」

「次は俺だな。俺はテミングだ、得意武器は大斧だが長柄系の武器は何でも使えるぞ。あ~、あと状態異常系の付与は使うが遠距離魔法は苦手だ」

「あらためて私はエマンシトリーよ、パーティーに入ってくれて嬉しいわ。武器は魔導脚という脚甲に魔法を付与したり放ったりする中近距離のアタッカーよ。これからよろしくね」


 顔見知りの3人が自己紹介をしてくれる。まさかレニがタンクとは…。刀でタンクとなると避けかパリィなのか?


「…この前会ったね。私はルーチェ。召喚士よ」


 先日あった目隠しをした女性だ。突然現れたものだから索敵系かと思っていたがまさかの召喚士か。


「ちょちょ、ルーチェ短すぎんか!俺が何言うかまだ考えとったのに。えーっと、俺はマルキス、錬金術を使う後衛のアタッカーや。あと消耗品とかは俺が作っとるから回復薬とか必要やったら言ってな」


 錬金術師……スキンヘッドだったからてっきり武闘家かと…。いやだって筋肉とかも結構ついてるしいかにも近接格闘をやりそうな顔してたから……


「私が最後ですね。私はシュカラと言います。ヒーラーをやっていますがマルキスさんの回復薬の効果がとても良いのでデバフ7割バフ2割、回復1割で皆さんのサポートをしています。これからよろしくお願いしますね」


 ふわっとしたおねぇさんのような女性だ、そしてこのパーティーで唯一胸が大きい。いや、これはそこまで重要ではないのだがEカップ位あるのではないか?重要ではないが。


「ロゥ、シュカラの胸に目線言ってるわよ」


 エマンシトリーの指摘でハッと目線を逸らす


「いや、そんなことはない。私は小さいほうが好きだから」

「いや~ガッツリ見てたと思うけど」


 私の否定にレニの援護射撃。シュカラさんはあらあらと言わんばかりに頬に手を当てテミングとマルキスは「まぁ見るよな」みたいな生暖かい目でこちらを見ている。いくら貧乳好きでもデカいのがあったら見ちゃうだろ!同じ男なんだから援護してくれ!と言う訴えをアイコンタクトするが救いの手は差し伸べられなかった。


「まぁいいや、とりあえず自己紹介は終了!……この後どうしよっか」

「ほい、レニこれ」


 テミングがクエスト用紙を手渡す


「ありがとテミング!みんなでこれ行こう!」


 クエスト内容はゴブリンの巣穴の掃討、推奨は6級だ


「あの、私まだ10級なんだが」

「大丈夫だろ、レニ以外は全員4級だからな」

「そんなこと言うて油断すなよテミング」

「大丈夫ですよ。何かあったら私もお手伝いしますので」


 あっ、これは行く流れですね。受注してるし当たり前か。


「俺はほとんど準備出来とるようなもんやから注意事項とか教えとくわ。みんなは準備してきぃ」


 マルキスから基本的なやり方をレクチャーしてもらう。ゴブリンの肌は黒く暗闇に潜むためかなりの光度で広範囲を照らし進んでいく。また半数ずつで前後を警戒するようだがあくまでこれは基本でこのパーティーでは後ろはルーチェが召喚獣と共に警戒するため知識として覚えておくようにとの事だ。


「そうやロゥ、俺の事最初は格闘家やとおもったやろ」

「えっ、なぜそれを」

「だいたい初めての人にそう思われるんよ。スキンヘッドなのは試した薬の副作用で体格は…まぁ戦闘してたらわかると思うわ」


 そんなこんなでマルキスと話していると全員の準備が整ったようだ。


「さぁ行こか!」

「ちょっとマルキス!それうちのセリフ!」

「そんなこと気にせんでいいから行くで!」


 賑やかなパーティーだこと。馬車に乗って目的地に向かう。

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