第5話 まあ、どこにでもありそうな、昔話しの怪談話で御座います(5)

 まあ、通らなければいいのにね。この後、後々のことを思案、考慮してみても。大変に勝気、好奇心旺盛少女……。子狐おさんの、目の前に青白く燃える炎の玉は、『フワフワ』と、浮遊をしながら。飛ばなければいいのに……。



 だってどんな大人しく好奇心がない者でも。さえも。生き物、生物をしている限り。自身の目の前を【変わった物】、【変な者】、爛々、凛々と燃えているように見えるのに、温度を感じない。体感することができない変わり物。変な物。不思議な物が、面前を『フワフワ』と浮遊をすれば、好奇心が自然と湧いてくる筈だ。生き物、生物をしている限り。


 ましてや? 幼い子の前、面前を、そんな変わり物が浮遊をすれば、己の好奇心を押さえる。耐え忍んで見て確認だけをする。していろと、言う方が無理。無駄なことだと思う。


 実際人、人間、人種と呼ばれる万物の頂点に立つ者達でさえ、幼子は両親、母親の目を盗んで何をする。仕出かすかわからない者。子達だから。子狐おさん、も、自身の目の前を『フワフワ』と、呑気に浮遊をしながら飛ぶ、舞う、移動をする青白く燃える玉を興味津々に見詰めながら。



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