カクテルと私

@takewasa1

第1話  恋心の薔薇紅茶

5年前、私一条雪はすごく困っていた。私は何でも結構できるタイプだしこんなに困った事は無い。私が唯一苦手なこと結構ありきたりでびっくりするかもしれないけどほんとに恋愛が苦手なのだ。苦手と言うレベルじゃない。好きな人には目を合わせただけで、冷たい言葉を放ってしまう。私はどっちかと言うと高身長で髪の毛も伸ばすだけ伸ばしているけれど1つに結んでいてあまり女の子っぽいタイプではない。男子顔負けな位運動が得意だし、男子と言うのはいわば競争相手みたいなイメージだった。でも彼は違った。大体の男子は私にいろんなことを挑んできた。勉強の子もいたし運動で競ってきた子もいた。彼は何にでも競ってこなかった。そして褒めてくれた。確かに褒めてくれる子はたまにいたけどその子たちは全員何か裏の感情がある気がした。でも彼が褒めてくれたのはすごく素直だったし何か裏の感情を感じなかった。授業中寝ちゃうような不真面目さもあるし、少し無愛想なような気がする。でも誰かが困ってる時はすぐに気づいて自分を犠牲にしてまでも助ける人。そんな彼が好きになっていたんだ。でも好きになっても私は何もできなかった。友達たちは好きになったら服もメイクも頑張るのに、私はどうすればいいかわからなかった。キャラ的に友達に相談することもできなかったし、親になんて恥ずかしくて絶対相談できない。そんなことを考えているうちに高校生活が終了して今はもう新社会人になった。あの恋はもう終わったと大学生活を諦めて彼氏ができたりもした。でもやっぱり高校の時の彼の顔が忘れられなかった。そしてなんと私が務めることになった会社に同じ新社会人として彼が入社していたのだ。しかも同じ部署、今度こそ絶対に彼にアプローチをして好きになってもらいたい。そう思ったものの何をすればいいのかわからない。とりあえず彼が好きそうな服を買おうと思い新宿に来てもいたものの何を買えばいいのかわからない。結局家に帰ることになってしまった。やっぱり私は何やってもダメなんだ。彼になんて似合わないもう無理だ。あれわからない路地に入ってきてしまったようだ。えっと近くにあるのは紅茶とカクテルの店「HIDE」?

せっかくだし入っていこうかな?ドアノブを持つ

「いらっしゃいませ」

若い女の人の声が聞こえる。

「何名様ですか?」

すごくかわいい女の人が出てきた。さっきの声と同じだから多分さっきの人だろう。私もこんな見た目だったのなぁ。その女の人はすごく目がパッチリしていてどっちかと言うとたね目口は小さくて肌は白く消えちゃいそうな感じだった。

「1名です」

「ありがとうございございます!カウンター席でよろしかったですか?」

「はいカウンター席でいいです。」

店内にはすごく大人っぽい女性が1人後は少し頼りなさそうなバーテンダーみたいな人がいる。

「お客様注文は何いたしますか?まず紅茶かカクテルをこちらではお伺いさせていただいております。どちらにいたしますか?」

「あぁ紅茶でお願いします。」

「はい分りました!こちらのお店では私のお勧めの紅茶を出させていただいてるんです。それでよろしいですか?」

「はい!苦手なものではないので何でもいいですよ。」

「分りましたすぐにご用意させていただきます」

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