第6話
俺は覚悟を決めた。
部長を徹底的に調べてやると。
どんな危険な目にあおうとも妹との関係性や今までの罪、そして部長が何故俺の秘密を握っていたのかを全て洗いざらい吐かせるために、部長を引っ捕らえようと、罠をしかけ始める。
俺は自分でも最低だと思ったが、割と良い容姿をしている自分の姿で、1人の女性をナンパして部長に喰わせるために自分に従順な子に仕上げる。
もし仮に部長が社長よりもセクハラなどをしていたのであれば、女には必ず食いつくはず。そしてそれを動画に撮り、部長を脅す。
早速行動に移そうと、夜の街を徘徊しながら家出っ子や事情があって夜の街をフラフラしている子達を片っ端からナンパして回ると、ある1人の女性を捕まえた。
「お姉さん。俺と遊ばない?」
「え。いいね。お兄さん!」
「ん。今から俺ん家でも来てさ〜」
「うん。いくいく!」
簡単に着いてきた女の子。かなり可愛らしいがギャルっぽい格好をしているせいか、割と尻軽に見えてしまう。だがそれが部長の趣味なのではないかと予想を立て、このギャルを完全に俺の言いなりにさせるために、家へ連れ込んだ。
「ここお兄さん家なの〜?」
「おう。ゆっくりしてって」
「じゃ、お言葉に甘えて〜」
ギャルは俺のベッドに座りながら、大人しく待っている。俺はそんなギャルにお茶を出すと、ギャルは急に笑い始め、俺の頬にキスをし出す。
「お兄さん。私今日泊まるとこなくてさ。拾ってもらって助かったよ〜」
「そう。ならさちょっと」
俺はギャルの肩に手を乗せ押し倒す形でベッドに横たわらせると、ギャルも少し照れながら俺の耳元で「いいよ」と囁いた。
ここまでは順調に、ただ順調に事が運んでいる。
自分が女性恐怖症だなんてことを忘れて、ただそのギャルをひたすらに抱いた。
数時間後のこと。
「お兄さん……。よかったよ」
「あぁ俺もだ」
「これからも何か悩みあったらウチに相談してよ」
「……なら今いいか?」
俺はここが攻めどきだと、ギャルに持ちかけた。
「俺さ。ある1人のおっさんに恨み持ってて。そのおっさんの裏事情全て洗いざらい吐かせてぇんだ。協力してくれねーか?」
「何すればいいの?」
「……おっさんに抱かれてくれ」
「それは本番もってこと?」
「あぁ。本番になる前に俺が助ける。それは安心してくれ」
「ほんと?」
「あぁ。ほんとだ」
ギャルは俺の言葉に安心したのか、はたまたちょろすぎるのかが分からないが、元気よく頷き俺の作戦に協力してくれる事となった。
これからが勝負だ。
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