7 待ってろよ

それからの授業は、いつも通りだった。

みんなが、先生は大丈夫と信じられたから、安心して授業を受けられた。

六時間目の授業が終わり、颯季と一緒に帰っていると、

「先生、まだ手術かな?」

「えっ。まだ、終わってないの?」

僕は、驚いた。

2時に手術が始まって、もう1時間半たっているのに。

僕の疑問を感じ取ったのか、颯季は、

「ネットで調べたらさ、手術に2~3時間ぐらいはかかるって書いてあったんだ。」

「そうなんだ。手術ってそんなにかかるんだ。」

「でもさ、あんまり緊張してないんだ。絶対このクラスに帰ってくるって思うから。だって」

『石原先生だもん』

僕らの声が1つになって、青空に消えていった。

そのとき、「待ってろよ」そんな先生の声が聞こえてきた気がした。

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