第23話 静かな時間を騒がしくした物音
「ルカー。ミナモ君、体調はどう?」
ガチャガチャと玄関の扉を開け、大声で二人に話しかけながら家の中に入るアカリ。すぐに返事が返ってこないことに少し寂しそうな顔をして、リビングの方へと歩いていく
「ユイさん、居ますか?」
と、顔を少し傾けながら、リビングの中を見る。だが、ユイの姿はなく少し寂しそうな顔で中に入りキョロキョロとリビングの中を見渡すが、やはりユイが居る気配はない
「ルカのお母さんは、まだ部屋に居るかな……」
と、ポツリと呟き、そーっと足音をたてないようにルカの眠る部屋に移動すると、部屋の扉をコンコンっと小さく音を立てて、そーっと扉を開けた
「ルカー。体調はどう?」
と、小声で話しかけながら部屋の中を見ると、ルカのお母さんも居る様子はなく、少し戸惑いながらもベッドに近づいてく
「眠りすぎると余計に疲れちゃうよ……」
そう声をかけながらベットの中を見ると、ルカの姿はなく、少し驚きながら首をかしげた
「ミナモ君の部屋かな……」
ベットを見つめながらそう呟くと、また足音をたてないようにそーっと歩き、またそーっと部屋の扉を閉め、ミナモが眠る部屋へと歩きだした
「ヒカリもずっと帰ってこないし、みんなどこにいったんだろ……」
小声で呟くアカリの声が静かな家の中に響き、寂しさと不安がアカリに募り、両手をぎゅっと胸の前でつかみふぅ。と深呼吸をしていると、ミナモが眠る部屋の前に着き、今度はため息を一つついて、コンコンと扉を叩いて、ゆっくりと扉を開けた
「ミナモ君、モナカ、まだ寝ている?」
そう声をかけながら部屋の中に入るが、返事が返ってこないことに、はぁ。とまたため息をついて、寝ているはずのベットにはミナモだけでなく、モナカもいない
「居ないか……。もー、本当にみんなどこ行ったんだろ……」
くるりとベットに背を向けながら、また一人呟いて部屋を出ると、キッチンに向かい、冷蔵庫を開けお茶を取り出した
「ご飯でも食べに行ったのな。それとも、本棚を見に……」
と、コップを取ろうと食器棚を開けた瞬間、頭にゴンッと強く何かが当たって足元が少しよろけながらも、当たった方に振り向くと、ヒカリ達がキッチンのテーブルの上でキョロキョロと周りを見渡していた
「ヒカリ……。アンズにリリも何をしているの?」
「何ってお腹が空いたから、ご飯を探しているの」
「ご飯は作ってないし、おやつもないから何にもないよ……」
帰ってくるなり、ご飯を探すヒカリ達に呆れつつも、三人の分のコップも食器棚から取り出すと、リリがアカリの頭に乗り話しかけてきた
「それより、ルカとミナモはどう?もう起きた?」
「それが、私もさっき二人の本棚から帰ってきたばかりなんだけど、二人とも居なくて……」
「モナカも?」
とまた問いかけられて、ゆっくりと頷きながらコップに飲み物を注ぐと、ヒカリ達が顔を見合わせると、ヒカリが飲み物を一気に飲み干すと、アカリの頭にまだ乗っていたリリを退かせ、交代で頭に乗りアカリに話しかけた
「それじゃあ、ご飯を食べた後、アカリも一緒にもう一度モナカの本棚を探しに行きましょ。アカリの魔力があれば、ちゃんと探し出せるかもしれないからね」
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