第7話 相談事には隠してたお菓子と共に

「はぁ、疲れた……」

 ルカ達と別れ、家に戻ってきたアカリがペタンとテーブルに顔を置いて、ふぅ。と大きくため息ついた

「いつもより疲れた顔して、どうしたの?」

 アカリの様子に気づいたノドカが心配そうな顔をして声をかけると、アカリが少し顔を動かしてノドカを見た後、今度ははぁ。と深いため息をついた

「ヒカリが、いつも以上に本棚の掃除張り切って疲れたの。本もたくさん書いた後だったのに……」

「それはお疲れ様」

 ソファーで熟睡するヒカリと疲れた顔のアカリを見て、ノドカがクスッと笑っていると、部屋から出てきたミツキがキッチンで食器棚を探りはじめた


「それでね、今日ミナモの部屋の扉が壊れたんだって」

 ボーッとミツキの様子を見ながらアカリがそう呟くように言うと、ヒカリを起こさないようにソファーに座っていたノドカがアカリの話を聞いて少し驚いた顔をした

「それは大変だね。ミナモ君の本はどうするんだい?」

「とりあえずってことで、ルカの本棚に置いてるよ」

「大丈夫だったの?」

「うん。一瞬危なそうだったけど、ミナモの本はルカの本棚に置けたよ」

「そっか。早く直るといいね」

 アカリの話を聞いてノドカが微笑みながら返事をすると、二人の話を聞いていたミツキが、アカリに話しかける

「ルカの本棚が良くても、ミナモの本棚は大丈夫なのか?」

「ミナモの部屋がどうなっているか、知りたくても入れないからなぁ。無理やり入れるの?」

 ミツキの言葉を聞いて悩みだしたアカリ。不安そうにノドカに問いかけた

「ミナモ君とモナカちゃんが部屋の入れる術を本に書ければ大丈夫じゃないかな。一応あの本棚の部屋の持ち主だしね」

「じゃあ明日、話してみようかな」

 エヘヘと笑ってノドカと話し終えると、ふとキッチンを見ると、ミツキがテーブルにお菓子を置こうとしていた


「お兄ちゃん、おやつ食べるの?私も食べる!」

 お菓子を見てバタバタと声も足音も騒がしくキッチンへ向かうアカリの物音に、ヒカリが目が覚めて、寝ぼけ眼でアカリの頭に乗った

「ルカとミナモに、お菓子をたくさん作ってもらって、食べたんじゃないのか?」

 ご機嫌でお菓子を戸棚から取り出していくアカリに呆れながらミツキが話しかける

「うん、でもお兄ちゃんと食べる。お父さんも食べよう」

 両手一杯に隠していたお菓子を持ってノドカに声をかけると、お菓子をドサッとテーブルに置くアカリ。あまりの多さにミツキがアカリを注意をすると、二人言い争いが始まった。そんな二人のやり取りを見てノドカがクスッと微笑み、ソファーから立ち上がり、キッチンに来ると、まだ言い争う二人と、お菓子をつまみ食いをするヒカリを見て、またクスッと笑った

「じゃあ僕は、みんなの分の珈琲でも淹れようかな。もう少し二人の話を聞きたいからね」

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