第3話 プロの見解
「ふふ。
「総大将に頼まれましたからね? しかし……これに加えて、座敷童子の元所有物であった理由で小豆製品などは許容範囲ですか」
「
「同じ座敷童子ですからね?」
「え??」
「「ん?」」
思わず、間抜けな声を出してしまいましたが……びっくりしないわけがありません。
「座敷童子って……一人ではないのですか?」
そう言えば、
「ええ、そうですよ? 僕は特殊ですが……特別な個体以外は大抵複数存在しています。座敷童子は……元は家妖怪なので、全国各地にいらっしゃるんです」
「そうなんですね?」
颯太君や
「う、あー!」
「ええ。僕らはあなた方の味方ですよ? ご主人に危害を加えるつもりは毛頭ありません」
「う!」
意思疎通出来ないと言っていましたが……きちんと会話が成立しているように見えるのが不思議です。
「さて。本題の前に」
火坑さんは少し冷めていた、モカブレンドの方をゆっくり飲まれてから……改めて、沙羅ちゃんの前に立ちました。コーヒーを蔑ろにされない気持ちが、少し嬉しかったです。美兎さんもとっても美味しそうに飲んでくださいました。
「柊司さん。沙羅さんは、小豆関連だと今何がお好みで?」
「えっ……と、具無しのお汁粉とか善哉とかですかね?」
「離乳食のように見えるそれなら、まずはですね。穀物類は何か?」
「この間食べれたのは、甘納豆のおこわのようにした赤飯です」
「それは面白い! ……それは少し?」
「いえ。出した量は完食してくれました」
「ですと……おはぎはいいかもしれないですね? 歯応えがあるように、ついたお餅のようにするのではなく半分くらい粒を残したようなのを」
「……なるほど」
さすがはプロ。
妖怪さんであれ、人間と同じ……もしくは、それ以上の知識と経験を持つ方には敵いません。調理師の免許は勉強とかがあれば、条件を満たしているのも加えて受験出来ても……こう言うところとは別の問題ですから。
「大将のおはぎ食べたーい!!」
「きゃ!?」
僕らが話し合っていると、いつの間にか美兎さんの隣に颯太君がいらっしゃったのでした……。
「おや、座敷童子の」
「だいぶ久しぶり? 100年くらい? あの辺に行ったのも」
「それくらいですね」
そして、見た目はともかく……やはり、ご長寿の会話を聞くと人間ではないのが理解出来ました。
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